横浜vs茅ヶ崎
横浜、7回コールド発進
今日の[stadium]俣野公園・横浜薬大スタジアム[/stadium]の第1試合は、茅ケ崎VS横浜。
横浜は、今夏、甲子園での全国大会に出場した桐光学園に県大会の準々決勝で敗れた。しかし、松井投手の大活躍で、あれほど全国的に注目された桐光学園を県内でスコア的に一番苦しめたのは横浜だった。
やはり神奈川県内における横浜の存在感は大きい。浅間、高濱といった夏の主力打者が残り、秋季大会で夏のリベンジを狙う横浜に、地区予選をブロック2位で通過して県大会出場を決め、1回戦で市立川崎を8-1で破って2回戦に進んできた茅ケ崎がどう挑むか注目した。
気象コンディションは、気温30℃、湿度69%。9月に入り、夜になると虫の音が聞こえるようになったが、まだ日中は厳しい暑さが続いている。秋季大会とは言え、選手の皆さんには水分補給など熱中症に十分、気をつけて欲しい。また、風速は南南西4.8m。ライト方向への追い風で、長打が期待されるコンディションでプレー・ボールとなった。
試合は初回から動く。 1回表、茅ケ崎は横浜の先発、日暮から2番加藤が四球を選んで盗塁に成功すると、3番上田がレフト前にタイムリー・ヒットを放ち、早くも1点を先制する。
その裏、横浜は茅ケ崎の先発、アンダースローの稲田に対し、1番浅間のレフト前ヒットと4番高濱のストレートの四球、さらにダブル・スチールで2死2、3塁と反撃のチャンスを迎えたが、5番小野の打球はセカンド正面のゴロとなり、無得点に終わる。
しかし2回裏、横浜は渡辺の監督の孫、6番渡辺佳明が稲田の緩いボールを左中間に弾き返して2ベースで出塁し、続く7番高井がストレートで四球を選んで無死一、二塁となると、茅ケ崎は早くも投手を稲田から大宅に代える。ここで8番小林がサードの横を抜けるタイムリー2ベースを放ち、さらに1死2、3塁で1番浅間がレフトへ犠牲フライを打ち、この回、2点を追加する。
さらに3回裏、横浜はレフト前に落ちるラッキーなヒット2本と四球2つ、犠牲フライ2本で2点を追加し、なおも1番浅間、3番長谷川のライト前ヒット2本と四球で3点を追加。7-1とリードする。
ここで茅ケ崎は長谷川を3番手投手に投入。長谷川は4番高濱を四球で歩かせ、満塁となってバッターは5番小野。カウント、ノーボール1ストライクからフルスイングすると、大きな打球がセンター後方に飛ぶ。 完全に抜けたと思ったが、茅ケ崎のセンター山本が倒れながら捕球。超ファインプレーで、これ以上の大量失点を防いだ。
茅ケ崎は続く4回裏、連続四球を出して無死一、二塁となったところでエースナンバー1をつけた成田を4番手投手に投入。成田自身も四球を出し、満塁のピンチを迎えるも、後続の横浜打線を討ち取り何とか無失点で切り抜ける。しかし5回裏に4番高濱から右中間の2ベース、5番小野からセンター前ヒットを浴び、その後、連続四球で押し出しの1点を与え、続く6回裏には3つの四球にサードのエラーとワイルドピッチが絡んで2点を失い、10-1と横浜に大量リードを許す。
茅ヶ崎は初回に先制した後、2回表に6番山本のセンター前ヒット、3回表に1番和田のレフト前ヒット、6回表に上田の今日2本目のレフト前ヒットなどで、いずれもスコアリング・ポジションにランナーを送るも、横浜の4人の投手継投の前に、あと1本が出ず。 7回表も最後のバッター、9番大宅がピッチャーゴロに倒れ、横浜が茅ヶ崎を10-1のコールドで下した。
夏の大会の後、横浜は柳、田原、相馬といった3年生の投手陣が引退し、新チームの投手力を不安視する声もあったが、今日の試合では4人の投手が持ち味を発揮し、安定した投手力を印象付けた。
特に、初回に失点したものの、先発の日暮はストレートに力があり、変化球のコントロールも良かった。 打線も充実しており、桐光学園への対抗一番手は、やはり横浜と言えるだろう。
しかし、1つ残念だったのは、ライト方向への飛球が1本も無かったことである。試合時間中、球場にはライト方向にホームラン風が吹いており、それはスコアボード上の旗の動きでも把握できた。レフトやセンター方向に打った犠牲フライも、ライト方向ならば長打になった可能性があり、気象条件を利用した戦略も重要となってくるだろう。
一方の茅ケ崎は、四球を出しすぎた。6イニングで15個の四球。 相手が強力打線ということで、打たれないように厳しいコースに投げようとした結果ということであるが、もう少し四球の数を抑えることができれば、違う展開になっていたかもしれない。
(文=松田 祥二郎)