丸亀vs大手前高松
1点が遠く重たい投手戦
「互いに前評判の高い右腕を擁する2回戦屈指の好カードは、1点が遠く、回を追うごとに重みを増すの投手戦になった。
大手前高松・藤本将(3年)がキレのあるストレートで10奪三振を記録すれば、対する丸亀の山口立城(3年)は重いストレートを武器に被安打2のピッチングを披露。
終盤まで熱投が繰り広げられたが、勝負を分けた球は丸亀の捕手、三好一生(3年)の牽制球だった。
1点を追う大手前高松は8回裏。一死後に1番林太一(2年)が相手のミスで出塁すると、2番南拓哉(2年)の送りバントで二塁へ。次打者は、山口から2打席目にセンターへヒットを放っている溝渕史温(2年)。
ベンチからの期待が高まるが、初球を空振りすると、丸亀・三好からショート・車谷康太(2年)への素早い牽制球で林がタッチアウトに。
同点劇を渇望する大手前高松の意気を一瞬で削いだ。
三好は2回裏にも一死一塁の場面で牽制死を奪うなど、120メートル近い遠投記録を誇る強肩ぶりをアピール。丸亀の山本雄一郎監督も三好の牽制をズバリ勝因に挙げた。
好投手が相手だけに、是が非でも1点が欲しく、また何が何でも失点を抑えたいケース。その気のはやりを抑え、落ち着いて対応できたかどうかが、そのまま結果に繋がった。
もちろん丸亀にとって、今春の四国大会出場が糧になっていることは言うまでもない。
(文=和田雅幸)