佐久間vs庵原
好投手・藤山知明 完封勝利!
鋭い腕の振りから投げ込む回転の良い速球を見て、噂通りの好投手であると実感した。
佐久間のエース藤山知明(3年) はコアな静岡高校野球ファンの間では話題になっている好投手。
1回裏、一番田邊に投じた回転の良い直球を見て、思わず唸らされた。彼は腕の振りが素晴らしい右の本格派である。ワインドアップから勢い良く振りかぶっていき、左足を捻るように上げていき、身体を沈みこませて、テークバックを大きく取って、トップを作る。縦回転のストレートを投げトップ時の胸の張りが素晴らしい。身体の近くで腕を絡ませ、最後のフィニッシュまで勢い良く振りだす。角度ある130キロ台のストレート、カーブ、スライダー、フォークを投げ分ける。
軸足に体重を乗せ、ピタッとリリース出来た時のストレートは庵原の打者の殆どが空振りを見せていた。しかしフォーム全体が荒削り。ダイナミックに身体を使って腕を振るので、それが嵌った時のストレートは素晴らしいが、メカニズムが合わないと高めに抜ける事が多い。ベルト寄りに来たコースを振り抜かれて安打を浴びることも多い。ランナーを出しても粘り強く投げる事が出来ていたが、よりレベルが高い相手には細心の投球を心掛けてほしい。まだ粗削りな部分、将来性を感じさせる投手で、上のレベルでも挑戦してほしい投手だ。
エース藤山を援護したい打線は3回表、二死二,三塁から3番鈴木匠(3年)がライトへタイムリーを放ち2点を先制。4回表には一死三塁から8番平手 元(1年)のスクイズで1点追加。さらに6回表には一死二塁から6番松田慎平(2年)の右中間を破る三塁打で1点を追加し、8回表にも野手の失策で1点を追加し、5対0。
藤山は最後の打者をレフトファウルフライに打ち取り試合終了。完封勝利で、3回戦へ駒を進めた。次は静清と対戦する。今までの練習の成果をどこまで発揮することが出来るか。悔いのないピッチングを見せてほしい。
(文=河嶋宗一)