淑徳vs城西大城西
9回一挙5点!23人で手にした逆転劇
一時、城西大城西に4点差を広げられた淑徳が9回に打者一巡の逆転劇を繰り広げた。
淑徳は1回裏一死に四球で出した走者をホームに返し、1点を先制されてしまう。その後、2回に追いつき振り出しに戻したかと思われたが、4回、6回に連続安打を打たれ点差を4に広げられた。
しかし7回表、先頭の有賀勇人(3年)が内野安打で出塁する。6番の荒川和也(3年)の二塁打で1点を返した。二死二塁で、中倉祐一監督に「思い切り振ってこい」と送り出された山本凌(3年)がセンターオーバーの二塁打を放ち、2点差まで縮めた。
9回表、再び先頭の有賀が塁に出る。5番・小倉拓馬(2年)が右中間を抜ける三塁打で1点差まで追い上げる。
ここで、城西大城西は先発・大井紀彦(2年)から伊藤寿(2年)にスイッチする。しかし、淑徳の勢いは止められない。一死二、三塁としたところで、7回にもタイムリーを打った山本に打席が回る。山本は「絶対に回ってくると信じていた」。山本の打球はセンター前へと運ばれ、2人の走者が返り逆転。続く、長島大樹(2年)、下村昴(3年)の連続タイムリーでさらに点差を広げた。この回、走者一掃の攻撃を見せ、一気に5点を加えた。
後がない城西大城西は9回裏、四死球でランナーを出すも焦りが見え凡退。試合序盤は主導権を握っていたが、終盤に打線がつながらず2回戦で姿を消した。
部員数23名の淑徳。この試合中も頻繁に守備交代を重ね、着実に試合のペースを握っていった。中倉監督は「うちは選手層が厚いわけではない。9、10人でやりくりしなければならない結果がこの選手起用」と語る。
山本は「部員数が少ない分、効率よく全員が練習できる。1人1人の力がつくのでチーム全体も力が増す」と話す。1人1人の力が発揮された逆転勝利と言えるだろう。
山本はこの試合を通して「夏の大会は何が起こるか分からない」ということを感じた。だからこそ「次の試合も油断せずに最後まで戦いたい」。3回戦も淑徳は23人で勝ちを取りにいく。
(文=編集部)