湘南学院vs綾瀬
立川(湘南学院)
追いつかれた直後の4回表、湘南学院は2死から高下柊人が死球で出塁すると、続く大津の2球目に盗塁成功。大津が四球を選んだあと、濱端が左中間への二塁打を放ち、すぐに2点を勝ち越した。
左打ちの濱端は、2回の第2打席にも左中間へ同じようなあたりを打っていた。このときは、綾瀬のセンター池ノ谷が好捕したが、今度は捕球できず。打球には追いついていただけに、惜しいプレーとなった。
1番・奥秋 今日2安打(湘南学院)
リードを奪うと、湘南学院・本萱昌義監督はエースナンバーの八木に代えて、背番号10の立川を送り出した。昨秋もこの2人の活躍でベスト8進出を果たしている。
立川は右オーバースローの本格派で、角度の良いストレートを低めに投げ込んでくる。軟式クラブ・横須賀スターズ2年のときに、全日本少年軟式野球大会に出場し、高校進学に際しては、ほかの私立からも誘いを受けたピッチャーである。
立川は武器の直球を中心に、綾瀬打線を封じた。代わった4回に、若菜貴幸にヒットを浴びるも、そのあとは8回までノーヒット。四球を与えても、要所で三振を奪い、綾瀬の勢いを止めた。結局、9回まで投げ切り被安打2、奪三振7。見事なピッチングでベンチの期待に応えた。
湘南学院は横須賀市に学校がある。じつは、横須賀市からの甲子園出場は過去に一度もない。
その期待がかかるのがこの湘南学院だ。両翼95メートル、中堅120メートルの専用球場を持っており、設備は文句なし。次戦の桐蔭学園戦で、2008年春以来のベスト4入りを狙う。
敗れた綾瀬は5回途中から代わった二番手の篠塚がゲームを作ったが、立川を攻略できず、ベスト8進出を逃した。ただ、今日は不運な失点が多かったが、先発の穂坂は右サイドから横のゆさぶりでしっかりと攻められるタイプ。池ノ谷、眞崎の中軸にも迫力があり、夏に一波乱巻き起こす力は持っている。
(文・写真=大利 実)