川崎北vs麻生
川崎北・荒井君
川崎北、新チームでも攻撃野球は健在
この2日間、雨もあったが急に涼しくなって、九月下旬から十月並みの気温になっていたのだが、この日は再び30℃を越えて、湿気も多い残暑の暑さとなった。それだけにコンディション調整は難しい時期でもあろう。
初戦で大師に15-0という大差のコールドで勝った川崎北。毎年、公立校としては卓越した打撃力に定評があるのだが、新チームもやはり、その打撃力に注目したいところだった。
ところが、立ち上がり神奈川麻生の軟投派木村君のスーッとゆっくり入ってくるスライダーと120キロに届くか届かないかというストレートに対して、力のある上位打線は突っ込んでしまうような感じになって、ポンポンと外野に飛球を打ち上げてしまっていた。振りの鋭い打線にとっては一番よくない、見事に術中にハマった形になってしまっていた。
見かねて佐相眞澄監督は、「負けるパターンとしては、こういうバッティングを続けている時なんだぞ」ということを選手たちに言った。
川崎北の選手たちは2回に直ちに修正して、坂井祐君、千葉君の5-6番が中前、左前へ転がして安打し根本君の中前打で先制。さらに、バント安打と1番高橋君の左犠飛で2点目。
4回にも8番根本君の三塁線二塁打から1死満塁の好機を作り成田君の中前打で2者が帰った。これで、完全に川崎北が主導権を握り、7回には千葉君の2点中前タイムリーに、2ランスクイズや高橋君のライトへのソロアーチなどもあって5点を奪いビッグイニングを作って圧倒した。
投手陣は、千葉君が5回を投げ、レフトからリリーフした左腕坂井祐君が2回を危なげなく抑えた。やはり、2試合続けて失点が0というのは、安定感があることの証明といっていいだろう。
攻撃も、「今年のチームは、スモールベースボールもやっていかないといけませんからね」と、佐相監督は言うが、わずかなスキを突いた2ランスクイズなどの機動力もあるというところを見せつけた。
神奈川麻生は5回に1死から7番長塚君が三塁打して反撃機を作りかかったが、スクイズ失敗で潰されたのが痛かった。
(文・写真=手束仁)