福翔vs宗像
マウンドに集まる福翔ナイン
公立校対決、福翔が制す
この日の二試合目も公立同士の対戦となった。このパートはたまたまではあるが公立高校のみのパート。もちろん1回戦も公立高校を下している。
先制したのは、宗像だった。2回、一死から5番溝田が内野安打で出塁する。6番川畑が四球を選び一死1，2塁。7番有田の2球目がワイルドピッチとなり、一死1，3塁。有田は内野安打を放ち1点を先制、なおも1，2塁。
「チャンスによくまわってくる打者」がいる。引きの強さがあるのだろうか？
宗像の9番打者、1年藤岡滉平。165センチという小柄な体格ではあるが、きらりと光るものがある。今大会では背番号６をもらっている。1回戦でも藤岡には三度チャンスがまわってきた。決勝点を挙げたのも、藤岡だった。
その藤岡に、このチャンスがまわってきた。二死1，2塁。2球目をレフト前に弾き返す。二塁走者川畑は三塁を蹴り本塁を狙うもタッチアウト。追加点を挙げることができない。
その裏、福翔の攻撃。一死から5番吉木が安打で出塁すると、6番藤井、7番井内も続き、同点に追いつく。さらに、四球で満塁とする。9番眞鍋の初球、スクイズを試みるも空振りを取られ飛び出したランナーはアウトになる。その間ランナーが進み、二死2，3塁。今度はワイルドピッチで生還、眞鍋もタイムリーを放ちこの回3点を挙げる。
3回表の福翔のマウンドには先発の1年藤井ではなく、同じく1年末吉が上がる。先頭は1番狩所。レフト前ヒットで出塁、犠打と内野ゴロで3塁まで進む。5番溝田の初球がワイルドピッチとなり、宗像は追加点をあげ2-3とする。
5回表のマウンドには三番手1年松岡。打席には狩所、四球を選ぶ。犠打とワイルドピッチで3塁まで進むと、3番柳内の犠飛で追加点。同点とする。
柳内(宗像)
福翔は5回裏、一死から9番眞鍋が安打で出ると、1番山口がライトの頭上を越える三塁打を放ち、再び宗像を突き放す。しかし、後続が続けず1点止まり。
そのまま3-4で迎えた8回表、宗像は先頭の溝田が内野安打で出塁するも6番川畑がバントを失敗、ランナーを進めることができない。一死1塁から連続ヒットで1点を挙げ4-4の同点。続く一死1，2塁のチャンスに9番藤岡。浅いセンターフライを上げてしまう。その当りで2塁ランナーが走ってしまいダブルプレー。チャンスを潰してしまう。
同点に追いつかれた福翔、8回裏一死から3番廣川、4番栗原が安打で出塁、一死1，2塁とする。続く5番吉木もレフトへ安打を放つ。レフト狩所が打球を弾いた間に廣川は生還、さらに2，3塁。6番山下を三振に打ち取り、二死2，3塁。打席には、今日2安打の7番井内、初球を弾き返し1点を追加する。ここで、宗像は力投の柳内に代わり清田をマウンドに送る。清田は林田への3球目、痛恨のボークで追加点。結局、この回福翔は3点を追加し4-7とする。
9回表、宗像の攻撃。一死から2番中村、3番柳内の連続二塁打で1点を返す。続く4番三好も安打で続き、一死1，3塁。6番川畑が四球を選び二死満塁。打席には代打公式戦初出場の岩切が送られる。3-1から4球ファールで粘り5球目、レフトフライでゲームセット。
宗像も粘りに粘り、福翔も継投で逃げ勝った試合だった。
宗像のスタメンに名を連ねた9人の選手のうち、3，4，5番、8番が2年生、9番の藤岡は1年生だ。この夏を経験した柳内、三好は2年生バッテリーである。また多くの選手がスタンドで応援していた。ある意味、来年が楽しみなチームである。
勝った福翔は、福岡工業とパート決勝で対戦する。こちらも、1，2年生が多く活躍しているチームだ。大西祐樹擁する福岡工業とどのような試合をするのか、楽しみである。
(文＝鎌倉 彩)
