時習館vs豊橋東
鈴木君(時習館)
時習館、投打の歯車かみ合い会心の試合運び
三河湾を一望できる、小高い丘の上にある[stadium]蒲郡公園球場[/stadium]で、好ロケーションともいえるのだが、風が強くて、砂塵が舞い上がって中断するなどの状況の中で試合が進んだ。
東三河を代表する、進学校ともいわれる両校の対決は好試合を期待したが、時習館が7回コールドゲームで快勝した。
時習館は、昨秋、東大が斎藤佑樹を下した時の勝ち投手となった鈴木翔太投手の出身校でもある。
また、豊橋東は、中日の藤井淳の出身校でもあり、これまた地元では高い評価を受けている人気校と言っていい存在だ。
そんな両校だけに、好試合を期待していた。
しかし、結果的には大差になってしまった。
もっとも、力の差はスコアほどなかったように思える。
ただ、ちょっとしたことで、点差が開いてしまうというも高校野球なのである。そんな典型だったともいえる試合だった。
時習館の鈴木君は立ち上がりこそ、少し球筋が定まらないで苦しんでいたが、投げ込んでいくうちに、自分の投球リズムを掴んできたようで、尻上りの好投となった。
終わってみたら、7回を被安打4で抑えての完封だった。
石河(豊橋東)
スコア的にはコールドゲームとなってしまい、ワンサイドという印象を与えるが、力の差はスコアほどなかったというのが正直なところである。
ただ、好機に中軸に回って、それがしっかり打って、きちんと守れた
時習館と、大事なところでミスが出てしまった豊橋東との差がこういう結果を招いたということになった。
時習館鈴木君、豊橋東石河君の両先発は、強風下でも共に無難な滑り出しだったが、3回、
時習館が石河君を攻略する。先頭の九番江島君が三塁線を破る二塁打で出ると、四球などで2死一三塁として、ここで四番筒井君が三塁線を破って二者を迎え入れた。
さらに、続く藤原君も中前打して3点目。その後、飛球落球もあって、この回4点が入った。
6回にも時習館は1死満塁から三番吉川君の左前タイムリー打、筒井君のこの日2本目の左線二塁打でさらに2点を加えた。
豊橋東は守りで走塁妨害を取られということもあって、意気消沈。勢いも低下していってしまった感じだった。
こうして、試合としては、投打がうまくかみ合った形で時習館の快勝という結果になった。
思わぬ大敗となった豊橋東だったが、石河投手の立ち上がりはストレートもかなり伸びがあった印象で、いい感じで投げていたのだが、一つリズムが崩れるとずるずると行ってしまう、一番してはいけないパターンを露呈してしまった。
(文=手束仁)