新城vs豊橋商
原雅樹(新城)
投打にエースが活躍の新城、今春もまずは県大会狙う
愛知県の春季県大会出場校を決める地区大会は23日、県内各地で一次リーグ戦を行い、[stadium]豊橋球場[/stadium]では7回表に一挙14点を入れた新城がコールドで豊橋商を降した。
投打に目立ったのが、昨夏からエースナンバーをつける新城の原雅樹だ。肩周りが柔らかく、ピッチングではテークバックで腕を後ろへ回し、体をしならせながら打者に向かって投げ込む。いい意味で、大学の素材型投手にいそうな感じのフォームだ。それでいて、キュッとひねるようにしてスライダー系の球を投げ、器用にストライクを取る。ストレートにもまずまず力があり、豊橋商打線を1点に抑えた。
山本剛之監督は「素材としては良いと思います。バネがあり、運動能力も高い選手です」と解説してくださった。
身長は176センチだが、マウンド上ではもう少し上背があるように映る。腕も長く見えた。
原は打っても活躍。1-1で迎えた7回表、2死満塁の場面で、センター方向へ弾き返す3点タイムリー三塁打を放った。この試合、終わってみれば大きく点差が開いたが、それまでは両者拮抗した「まずい展開」(山本監督)だっただけに、巡り合わせよく満塁機で打席に入り、自らのバットで試合を決めたのはさすがチームの大黒柱だ。
今泉知磨(新城)
新城は過去5年、夏の県大会では3回戦が最高成績。それでも昨秋、県大会に出場し、強化著しい菊華に食い下がった。「僕が現役のころは、(対戦相手としての新城は)楽な相手でしたが、近年の監督さんや部長(犬塚孝好先生)により、部活動もしっかりやるぞという風潮になってきました」と、山本監督は部の進境を語る。
7回表の「打者2巡」の猛攻は、選手が見事に流れに乗った。各打者が鋭くスイングし、この回マークした安打は9本。9番打者・今泉知磨が巧みなプッシュバントで勝ち越しのチャンスを呼び込んだセンスにも唸らされた。
山本監督は「今の新3年生世代は下級生時から試合に出ていて、勝てる要素は持っています」としながらも、「チームとしては経験も浅く、いかに試合で『我慢』ができるか。県大会2勝が当面の目標ですが、もし県大会に出られたとしても、まずは一生懸命にプレーすることです」と控えめに話した。
新城は女子生徒のほうが多く、野球部員は新2・3年生合わせて15人と、他の県大会出場校に比べれば少ない。それでも、昨秋頭角を現したところを見ても、今後気にかけたい学校の一つだ。
一方、敗れた豊橋商は、新2年生の先発・大西優介が力のあるボールで6回までは抑えたが、7回に崩れた。途中までは互角以上の試合運びであった。
(文=尾関雄一朗)