八幡浜vs三瓶
同点となるタイムリーを放った井出(阿蘇連合)
“八幡浜エース菊池大樹、圧巻の7回完全試合!”
1年夏の愛媛大会では強豪・済美相手に先発で公式戦デビューを果たした。
その後も常に八幡浜の屋台骨を支えてきた最速140キロ右腕・菊池大樹(3年)。
ただし2年夏にはフォームを崩してまさかの初戦敗退。
最上級生となっても新人戦は南予地区準々決勝、秋も南予地区代表決定戦でいずれも宇和島東打線に煮え湯を飲まされるなど、ここ最近は今ひとつ実力を発揮できない日々が続いていた。
しかし、この日の菊池大はこれまでの不振を払拭する圧巻のピッチングを披露する。
ネット裏のスピードガンで最速134キロを計測したストレートは、その多くが低めにコントロールされ、8三振を奪いながら球数もわずか「70」と、「バッターが考えていないような配給を心がけている」女房役・岡崎豊幸(3年)との呼吸も抜群。
終わってみれば得意の縦スライダーを封印したまま、三瓶を7回完全試合で抑えきってみせたのだ。
それでも試合後には「制球力がまだまだ。内容的には甘いところがあった」と飽くなき向上心を示した菊池大。
2日後に行なわれる代表決定戦の相手は試合巧者の川之石であるが、本人が憧れる田中将大(東北楽天)のような迫力を続けて出し続けることができれば、県大会で「菊池大樹」の名を轟かす可能性は極めて高いと言い切れる。
(文=寺下友徳)