試合レポート

横芝敬愛vs佐原白楊

2010.11.22

横芝敬愛vs佐原白楊 | 高校野球ドットコム

試合シーン

横芝敬愛が快勝

 東部地区大会は4日目を迎えた。[stadium]銚子市営野球場[/stadium]の第1試合は横芝敬愛佐原白楊だ。
 試合は1回から動く。1回表、横芝敬愛は先頭打者がエラーで出塁するも、3番石森、4番大木が凡退し無得点。1回裏、佐原白楊は先頭打者が四球。2番篠塚が送って、3番池田が四球。4番田名部のセンター前ヒットで一死満塁のチャンスを作るが、後続が倒れて無得点。
 3回表、9番畔蒜がセンターオーバーのスリーベースで無死三塁のチャンスを作ると、一死三塁から2番億田のスクイズを決め横芝敬愛が先制する。
 さらに4回表、ニ死一、ニ塁から8番谷島がセンター前へしぶとく落とし、二塁走者がホームイン。
9番畔蒜もライトオーバーのツーベースで二者生還し、この回3点目。続いて1番富山のタイムリーで阿蒜がホームインし、5対0とする。

 横芝敬愛の先発・谷島は立ち上がりこそ悪かったものの、尻上がりに調子を上げていき、5回無失点でマウンドを降りた。

 6回からエースの荻野が登板。佐原白楊は一死から2番篠塚がレフトオーバーのツーベースを打つ。3番池田が四球で歩いて、4番田名部は初球の外角ストレートを強振。打球は左中間を破る走者一掃のツーベース。佐原白楊は2点を返し、5対2とする。
 7回の表、4番大木がセンターオーバーの二塁打を打つと5番石井がバントで送り、6番斎藤の犠牲フライで1点を追加。さらに9回の表は一死一、三塁から6番斎藤のタイムリーで1点を追加し、7番稲田は倒れたが、8番荻野の2点タイムリーで2点を追加し、9対3に。横芝敬愛はそのまま逃げ切りゲームセット。ベスト8に進出した。


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横芝敬愛・谷島玲央

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 快勝した横芝敬愛。素材として面白みがあるのが先発した1年生の谷島玲央(右投右打)だ。彼の綺麗な投球フォームに目が留まった。全身をいっぱいに使った投球フォーム。ノーワインドアップから入り左足を回し込むように上げ、膝が上がりきったところで少しだけ溜めてから、左足を下ろしていく。お尻を一塁側方向に落とし、捻転動作を維持したまま踵から着地していく。テークバックを大きく取り上から振り下ろす。肩、肘だけではなく、股関節も柔らかいので、全身を使った投球フォームが出来ている。投球フォームの土台は良い。

 まだ下半身が弱くフィニッシュに入ったときに着地した左膝がぶれてしまっているので、下半身ががっしりしてくるとストレートのスピード、切れは格段に上がるタイプだろう。フォームが綺麗だけではなく、投球自体もまとまっている。ストレートのスピードは目測で125キロ前後ぐらいだが、両サイドに投げ分けができており、スライダー、チェンジアップもストライクが取れる。

 この試合ではあまり投げなかったが、縦割れのカーブも持っており、投手としても完成されているので、先ほども述べたが、自分のエンジンを大きくさせるためにトレーニングを今まで以上に真剣に取り組んでほしい。将来性が高い本格派右腕として注目していきたい。

 捕手では思慮深いリードを見せる林裕太(1年)、長打力ではチーム屈指の斎藤光太郎(2年)との併用も頭を悩ませるところ。どっしりとした鋭い打球を飛ばす大木豊成(2年)、この日4安打を放った9番畔蒜悠希(2年)は俊足巧打の三塁手。昨年から登板し、場数を踏んでいる荻野良教(2年)投手など磨かれてくると面白い選手たちは多くいた。次は千葉黎明をコールドで破った多古高校と対戦だ。多古はなかなか手強いチーム。全力で勝ちにいく。

 佐原白楊は丁寧な野球が出来るチームだった。グラウンド整備からしっかりとやるチームで指導がしっかりしているチームだと印象付けた。シートノックではまだ拙さは残るが、一つ一つのプレーをしっかりこなそうという姿勢は見えていた。

 打撃では前半こそ打ちあぐねたものの、6回は荻野から一気に2点を取り、7回以降もチャンスを作った。あと一打が出るように冬場は打撃強化を図りたい。選手としては4番ショートの田名部選手が目に付いた。体つきはよく、力強い打球を飛ばす選手だ。何より雰囲気が良い。

 ただ守備に粗さが見られ、内野ゴロだとベース手前で緩めてしまうところがある。チームの核は彼だと思うので、彼の取り組みが変わってくると相乗効果となってガラリとチームが変わる可能性はあるだろう。一冬超えて見違えるようなチームになることを期待したい。

(文・撮影=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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