東邦vs愛工大名電
芳賀(東邦)
強豪対決、愛工大名電投手陣が崩壊、東邦にコールド負け
ベスト8決めとなる5回戦屈指の好カードとなり、早くから多くのファンが球場周辺を取り囲むようにつめ泣けた。愛知県を代表する強豪校同士の対決に注目が集まった。
そんな試合だったが、7回コールドゲーム、しかも3時間を越える長いものとなった。
その要因は、
投手陣が、先発上之薗が3回につかまり、谷口→都築→坂谷→(再びセンターから)谷口とつなぐ苦しい継投となったが、14安打を浴び144四球を与えるという大乱調だったからでもある。
先制したのは
で、2死から注目の好打者三番谷口が左前打で出るとすかさず二塁盗塁。四球後、辻が左中間二塁打して二者を返す。その裏東邦は、四球の一番山中を進めて2死二塁から都築の中前打で1点を返す。この1回の攻防を見た限りで、ある程度は打ちあいになり5~6点勝負になるだろうなとは予想された。
東邦は3回に、三番上戸(うえんど)の右前打に始まり、都築の左前打が続くとバントで進めて、六番芳賀が左前打で帰して同点。小澤の内野安打で逆転すると、失策に二つの四球で押し出しなどもあってこの回大量5点が入った。
さらに東邦は4回に押し出しで追加し、5回にも三番手としてマウンドに上がった都築を捉えて藤田の左前適時打、芳賀の中前打などで3点。8点差をつけた。
ベンチとしては、昨年夏の準々決勝で
に喫したコールド負けが頭をよぎり始めたところでもあったかもしれない。何とかコールドを回避したい
愛工大名電は6回に反撃、一番大村が右線三塁打すると、富澤、谷口が続いて3点を返した。しかし、
愛工大名電の意地もここまでだった。
東邦は6回、藤田の左中間二塁打で再び差を広げ、7回は2死満塁から都築が右中間を破ってコールドゲームとなった。
結果的に大勝となった東邦だったが、森田泰弘監督は、「相手から点数を貰った形になった試合でしたから、もっと(コールドゲームで試合を)決めるべきところは決めなくてはいけません。このあたり、まだまだ課題です」と、先を見据えて気を緩めてはいなかった。
これで、夏の大会は2年連続屈辱のコールド負けとなってしまった
の倉野光生監督は、「3回に5点を取られてしまってからは、何とかコールド負けだけは防ごうと思っていたのですが…。3年生は、(仲間の事故死という)苦労を乗り越えよく頑張ってきました。この代は、一度も甲子園へ行っていないので、甲子園を経験させてあげたかった」と、肩を落とした。
打者としてプロスカウトからの評価も高い谷口主将は試合後ベンチ前で泣き崩れた。
(文=手束 仁)
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愛工大名電 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 5 | ||||||||
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東邦 | 1 | 0 | 5 | 1 | 3 | 1 | 1X | 12 |
愛工大名電:上之薗、谷口、都築、坂谷、谷口―後藤、清岡 東邦:芳賀、小森―都築