勿来工vs安積黎明
(勿来工)
努力のアーチ共演
0-0のまま試合が続く。接戦を予感させたが、その予感は一撃で消えた。
4回裏だ。2死から4番・四家忠(2年)がヒットで出塁すると、5番・小野一生(3年)が「バッチリでした」とレフトスタンドへ先制2ランをかっ飛ばした。さらに5回、1点を加え、1死2、3塁で3番・櫛田基樹(3年)がライトスタンドへ3ラン。結局、勿来工は7-0の7回コールドで3回戦進出を決めた。
3回戦は
が相手。このチームになって2度対戦しているが、負けてはいない。鈴木茂監督は「接戦だけど、全部勝っている。逆に怖さがある。気を抜けない」と警戒。
いわき光洋のエース・小松兼也(3年)は1回戦の
で7回参考記録、2回戦の
相馬農で5回参考記録ながら2試合連続の“ノーヒットノーラン”を達成し、勢いづいている。
昨秋のいわき選手権で小松から1試合3ホーマーの小野と、この日、初アーチをかけた櫛田はこう意気込む。「チームに貢献できるバッティングをしたい」(小野)。「またピッチャーを助けられれば。速い打球を心がけて打ちたい」(櫛田)。
勿来工のグラウンドはサッカー部やラグビー部と共同で、広くは使えない。内野手がノックを受けているとき、外野手はひたすらティーバッティング。練習時間も短いほうに分類されるだろう。平均して、1時間半から2時間だという。4時から始まり、5時半から6時くらいには終了。残った時間をどう使うか。これがポイントになる。
小野は野球経験のない父にボールをあげてもらい、自宅の庭でバッティング練習に励んでいるという。この日は高校通算5本目のホームランを、父が見ている前で放った。
櫛田も父親にティーをあげてもらうこともあるが、「フォームを修正すれば大丈夫なので」と素振りがメインだそうだ。父が応援する中で放った高校初ホームランに「ビックリしました」とはにかんだ。
2人はよく一緒にティーバッティングをしているという。アーチの共演は、2人の努力の証だった。
(文=高橋 昌江)
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勿来工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||||
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安積黎明 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 1 | X | 7 |
勿来工:渡邊雅、佐藤 – 大沼 安積黎明:菊池 - 四家
本塁打=小野、櫛田(勿)二塁打=菊池、菅野(勿)