試合レポート

千葉敬愛vs市原八幡

2010.07.10

2010年07月10日 千葉マリンスタジアム  

千葉敬愛vs市原八幡

2010年夏の大会 第92回千葉大会 1回戦

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行川(千葉敬愛)

千葉敬愛が7回コールドで開幕戦を制す!

 第92回高校野球選手権千葉大会が開幕した。これから2週間、甲子園出場をかけて激しい戦いが繰り広げられる。開幕戦は市原八幡千葉敬愛の対決となった。
1回の表、市原八幡の攻撃。千葉敬愛の先発はエース行木 紀仁(3年)。オーソドックスな右投手で、常時125キロ前後の速球に、110キロ前後のスライダー、90キロ前後のカーブを織り交ぜて打たせて取る投球が持ち味の投手だ。

市原八幡のトップバッター我妻 宏樹(2年)が甘く入ったカーブをとらえ、レフト線へ抜けるツーベース。いきなりノーアウト二塁のチャンスを作った、2番冨岡 瞬輔(3年)のバントでワンアウト三塁としたが、3番、4番が倒れ先制点ならず。

 1回の裏、千葉敬愛の攻撃。市原八幡の先発はエース内野 敏樹(3年)。内野は右スリークォーターから110キロ台のストレート、カーブを織り交ぜて打たせて取る投球をする投手だ。

早々とツーアウトとなったが、3番千古が四球で歩くと、4番古川 敦(3年)が甘く入ったカーブを捉え、レフトフェンス直撃の二塁打で1点を先制する。

 しばらくは両投手の好投により、試合が進んでいき、4回の裏、千葉敬愛の攻撃。

この回先頭の7番林 拓哉が四球で出塁。8番磯部 和貴(2年)がバントをするが、打ち上げて投手フライでワンアウト。9番行木の時にヒットエンドランを敢行。行木は左中間へ打ち返し、ランナーは三塁。そして行木は二塁へ。ワンアウト2,3塁のチャンスを作る。1番小谷 涼斗(3年)が右中間を抜けるスリーベースで2者生還し、3-0.連続四球でワンアウト満塁となって4番古川の犠牲フライで1点を追加。5番鈴木 達也(3年)が放った打球はライト線へ飛ぶ。これをライトの大澤が懸命にグラブを伸ばしてキャッチ。ファインプレーによりチェンジ。

 やや立ち上がりが悪かった行木だが、徐々に安定感を取り戻し、スライダーのキレが冴え渡り、3回から4イニング連続三者凡退に抑える好投を見せた。
6回の裏、千葉敬愛はツーアウト2,3塁から5番鈴木がしぶとくライト前ヒット。まず三塁走者が生還し、1点目。そして二塁走者も生還し、セーフ。送球が逸れた間に三塁へ。6対0とする。
7回の裏、千葉敬愛はワンアウト満塁から3番千古 悠馬(3年)がセンターへ犠牲フライを打ち、三塁走者がホームイン。千葉敬愛が7回コールド勝ちで勝利を収めた。

 さて7回コールドゲームになったが、両チームに差があったかというとそれほど差はないように思える。何が違ったか。それは投手力だ。確かに個々の能力で見ると千葉敬愛に上回っていた感があるが、チームとしての完成度はそれほど変わりない。シートノックを見ていても、市原八幡千葉敬愛と同じくらいにしっかりとこなしていたし、試合中も打球を確実に処理し、投手の内野を助けていたし、カバーリングも怠ることなくしっかりやっていた。また初回にノーアウト二塁と先制のチャンスを作り、試合を優位に進めるチャンスはあった。
しかし決定打を欠き、エースの内野は制球に苦しみ、9四死球。無駄なランナーを出し、失点を招いてしまった。一方で千葉敬愛のエース行木は立ち上がりこそ悪かったものの、無四球と素晴らしい内容。テンポも良く、守備陣もリズムよく守っていた。投手力の差が徐々に現れた。両サイドにしっかりと投げ分けることができ、尚且つ変化球でストライクを取れる投手の存在の大きさが良く分かる試合であった。

千葉敬愛は13日千葉天台球場にてAシードの銚子商と対戦する。

【第92回千葉大会開会式 雑感】

第92回高校野球選手権千葉大会の開会式が行われた。昨日の夕方から強い雨が降り、今日も天候が心配されたが、晴天に恵まれ、野球日和となった。選手宣誓は市原緑の田中大地主将。田中主将は「選手一同が、スタンドで応援してくれる親、仲間、指導してくれる指導者のために最後まで諦めず戦い抜くことを誓います」と力強く宣誓した。
今大会は174校が出場。加盟校3校が辞退してしまったのは残念であったが、来年は加盟校全校で出場してくれることを期待したい。

開会式は選手だけではなく、保護者、指導者にとっても晴れの舞台。選手が堂々と立派に行進する姿は感慨深いものがあるのではないだろうか。しかし部外者の私にとってはいろいろな学校を見る貴重な機会である。手足を大きく動かし立派に行進する学校、しっかりと手と足を合わせて立派に行進する学校、手足の動きが小さい学校、動きが合わない学校、歩いているだけの学校。それを見るだけでも面白い。その学校が開会式をどんな考えで臨んでいるかがある程度分かる。晴れ舞台だから堂々と行進しよう、あるいは多くの人に見られているから恥ずかしくないようにしっかりと行進しよう、暑くてだるいから歩こう。それが彼らの動きでなんとなく分かる。それが野球に繋がるか分からないし、観戦者の参考になるかは分からない。ただ多くの人に見てもらっていることを考えれば、すべての学校が堂々と行進してもらいたいものだ。

(文=高校野球情報.com編集部)
(撮影=img11~23鈴木 崇)


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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