阿南工vs新野
阿南工・山本康次朗投手(3年)
阿南工エース山本、バージョンチェンジで完封!
第1試合の熱気がようやくグラウンドから醒めたころ、プレイボールがかかった準決勝第2試合では徳島県屈指の好右腕と称される阿南工・山本康次朗(3年)が今大会初登板初先発。最速140キロの剛球には大いなる魅力を感じる一方、県大会では昨秋2回戦敗退、今春初戦敗退と結果が残せていない彼にとっては、キャプテンとしてチームを牽引するためにも、この試合では何としても結果が欲しい一戦である。
そして山本はこれまでと異なるピッチングで答えを出す。直球こそ最速131キロに留まったものの、要所でスライダーとスローカーブをコースに投げ分け新野を5安打完封。以前は強引に三振を奪いにいって痛打を浴びていたピンチにあっても、広い守備範囲を誇るセンター高鶴彰大(3年)中心の外野に敢えて飛球を打たせることで、バックにリズムを与えることに努めていた。
そして、このような山本のバージョンチェンジは打線の活発化も誘発することに。1番・朝日健(2年)の4安打4打点をはじめ新野の比松湧希(2年)、南優輝(2年)両投手から15安打7得点を奪った阿南工は、新人ブロック大会以来となる決勝戦進出を快勝で飾った。
かくして最後の夏を前にバックを信じる術を覚えつつある山本。「直球で三振を取れるようになってほしい」村瀬義夫監督の山本に対する要求が実現された暁には、夏の上位進出も十分予感できるこの日のピッチングであった。
(文=寺下 友徳)
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