浦和学院vs浦和北
南(浦和学院)
197cm南投手(浦和学院)、7回1安打完封は圧巻
注目は身長197cmの浦和学院南投手だった。父親がアメリカ人というハーフだが、下半身はやや細いかなという印象はあるものの、高さだけでも魅力だ。月並みな表現だが、2階から投げ込んで来るような角度のあるストレートはそれだけで素晴らしい。心配された制球の乱れも、今日はそれほどなく初回は3者連続の空振り三振という最高の立ち上がりだった。
「今日は球がキレていたし、いい状態で入れたと思います。高校野球はあと3カ月しかありませんから、その中でやれることは限られていると思いますけれども、ストレートがいいという持ち味を生かして育てていきたいと思います」と、これまで、大竹寛(広島東洋)、坂元弥太郎(ヤクルト→日本ハム→横浜)、須永英輝(日本ハム)ら何人もの選手をプロ球界へ送り込んでいる実績のある森士監督も将来を見据えて育成していく方針だ。
南君が背番号10をつけているのは、1番は昨秋も投げていた阿部君という安定した投手がいるからだ。8回からはその阿部君も登板予定だったというが、8回に2死から四球と盗塁、星君の右中間打でコールドゲームになってしまったので登板しないまま8強入りを決めてしまった。
もっとも、結果的にはコールドゲームだったとはいえ、序盤から中盤は 浦和北 の勝谷君の踏ん張りが光っていた。南君ほどではないにしても、ストレートのスピードも130km/h超で、威力もあった。ややコースを狙いすぎたということもあってか四球が多くなって、そこからほころびていったのは残念だった。さらには、ポテン安打で先制された1点目以降、2死一二塁から暴投と悪送球で生還を許し、4回にも星君の中前打を外野手が後逸してしまいそのままダイヤモンド一周をさせてしまったなど、失点がいずれも防げるミスが絡んだものだったのが痛かった。
6回に浦和学院は1死一三塁から四番原君の左中間二塁打で2点を加え、さらに2死一三塁からディレードスチールの形で、一塁走者が挟まれている間に三塁走者が生還するという形で得点した。攻撃としては、浦和学院はこの回になってやっと“浦学らしさ”が出てきたという感じだった。浦和学院は毎年、こうして試合を重ねていくことによって、確実にチーム力を上げていく。やはり、今年も浦和学院は埼玉県の各校から“的”にされることは間違いないだろう。
(文=手束 仁)
(写真=高校野球情報.com編集部)
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