運動量と運動強度を考慮しよう
練習後のクールダウンはしっかり時間をとってストレッチを行おう
部活動の自粛期間が長くなればなるほど、全体練習が再開されたときは突発的なケガを予防する必要があります。個人でそれぞれできることを続け、体のコンディションを保っていたと思いますが、その運動量や運動強度はすべて同じものではありません。
全体練習で急に長時間にわたって激しい練習を行ってしまうと、選手によっては体全身やその一部に大きな負担がかかってケガをしてしまうことにもつながります。運動量や運動強度は少しずつ上げていくことが基本です。
再開後の数日間は「少しもの足りない程度」から始めましょう。ウォームアップやクールダウンの時間を長めにとり、メインとなる練習時間を少し調節しながら体を動かすようにします。
ピッチャーが投球練習を行う際には、しっかりと肩・肘の準備ができてから行うようにし、投球数などについても指導者の方と相談しながら段階的に増やすようにします。バッティング練習ではどうしても数多くスイングしたくなりますが、スイング後にしっかりストレッチをしたり、逆スイングを取り入れたりしながら一部位に過度な負担をかけないようにしましょう。
ランニング量についても段階的に行うことがケガ予防につながります。短いダッシュの繰り返しはかえって太ももの裏側などに負担がかかりやすくなるため、練習再開から間もない頃は7〜8割程度で走る中距離走やインターバルを少し長めにとるランニングなどで、筋持久力や全身持久力を回復させるようにしましょう。
野球のできない期間はストレスや不安などが多かったことと思います。だからこそ段階的に体力レベルを以前の状態まで戻していくことが大切。野球ができる喜びを忘れずに、ケガには気をつけて練習に励んでくださいね。
文:西村 典子
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