News

22年ぶり出場の春日部共栄に訪問!昨夏初戦敗退から始まったチーム改革

2019.02.02

22年ぶり出場の春日部共栄に訪問!昨夏初戦敗退から始まったチーム改革 | 高校野球ドットコム
村田賢一(春日部共栄)

22年ぶり出場の春日部共栄に訪問!昨夏初戦敗退から始まったチーム改革

 22年ぶり3回目の選抜出場を決めた春日部共栄。悲願の檜舞台へ向けて、選手たちは高い意欲で練習に取り組んでいた。

 今でこそ充実感をみなぎらせながら練習している春日部共栄ナインだが、昨秋のスタートの状況について選手、指導者は口を揃えてこう話す。

「まさかここまで勝ち上がるとは思わなかった」

 昨夏はオール3年生で臨んだが、初戦敗退。昨年は秋から夏まで県大会で1勝のみという危機的な状況。そこで指導者陣が選手たちに提示したスローガンが「強い共栄を取り戻す」。

 このスローガンの元、指導者は選手に寄り添う対話重視に切り替え、選手たちも自分の意見を発し、また激戦区の埼玉を勝ち抜くためには強打のチームに転換しないといけないと感じた春日部共栄は振り込みの数を増やすアプローチだけではなく、打てないことを引きずることではなく、打つ球は打つ、打てない球は打てないと割り切るようになった。さらに栄養指導を受けるなど、土台強化に励み、その結果、秋季埼玉県大会は持ち味の強打を発揮して、優勝した。

 そして関東大会では準々決勝で横浜と対戦。最速153キロ左腕・及川雅貴に備え、左投手を2メートル手前から投げさせるなどの対策をとったが、それでも「全然ボールが見えなかった、離れた瞬間、ミットに入っていた」と及川の速さに多くの選手が驚くも、及川の制球難をついて満塁のチャンスを作り、6番平岡大典はフルカウントに置い込まれた後、「ストレートだけ打つ。スライダーが来たらごめんなさい」と割り切って、見事に直球を捉え、走者一掃の適時二塁打を放ち、3点を先制。その勢いに乗り、横浜にコールド勝ち。その後も勝ち進み、関東大会準優勝を収めた。

チームをずっと見てきた植竹 幸一部長は「子供たちの成長は本当にすごいものだな」と感心の様子だった。

 チームは12月に高知県の黒潮町でキャンプを行った。温暖な気候で実戦練習をこなしながら砂浜で走るなど走り込み重視のトレーニングを送り、心身を鍛えてきた。

 選抜出場が決まり、植竹部長は「出場が決まり、選手の自覚も高まり、取り組み方も変わってきました」と選手の成長ぶりに目を細める。主将の石崎聖太郎は「出場が決まり、モチベーションも高まり、目的意識をもって練習に取り組んでいます」と今は巨人に移籍した丸佳浩の打撃フォームを模倣してレベルアップを測り、隙の無い打者を目指している。エースの村田賢一はストレートの球質アップをテーマに、取材日で、捕手を座らせて80球近く投げ込んだ。仕上がりについて「だんだん調子は上がってきました」と手ごたえを感じている。

 強い共栄を取り戻すために始まった今年の春日部共栄。選手たちの高い自覚、そして強い自信により、着実に理想像に近づこうとしている。

春日部共栄の野球部訪問、村田投手、石崎捕手、期待の1年生・平尾選手の独占インタビュー、そして頑張る!マネージャーを後日配信予定!お楽しみに!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.29

【福井】福井工大福井、丹生、坂井、美方が8強入り<春季県大会>

2024.04.29

【春季埼玉県大会】今年の西武台はバランス型!投手陣の完封リレーで初戦突破!

2024.04.29

【愛知】誉、小牧南が全尾張に出場

2024.04.29

【春季神奈川県大会】横浜が慶應義塾を圧倒!ドラフト候補たちが投打に活躍!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!