「高校球児、走る。」高知県高校野球連盟駅伝大会、盛大に20回目を開催!
ここ数日来の大寒波もようやく落ち着きを見せた2月13日朝、高知県高知市を東西に貫く鏡川べりの「鏡川緑地」には高知県内各地から高校球児が続々と集結していた。
ただし、その佇まいはボールもグラブもバットも持たず、ユニフォームもほとんどが着用なし。それどころか短パンやジャージに身を包んだ彼らの姿は、今にも陸上競技を始めそうな勢いだ。
それもそのはず。この日開催されるのは野球でなく、「平成22年度高知県高等学校野球連盟駅伝大会」と称する駅伝大会なのである。
このユニークな大会のはじまりは1992年。「シーズンオフに競り合うことのない選手たちへ刺激を与え、各校間の対抗意識をかもし出す目的で監督会が発案して」(茶畑洋介・高知県高校野球連盟会長)、約10チーム参加で産声をあげた。
そして徐々に観衆と参加チームを増やしながら今年で20周年の節目を迎えた同大会は、いまや高知県の高校野球界にはなくてはならないビッグイベントになっている。
そして過去最高の22校、30チームが参加して10時23分に号砲が鳴った今年も、2つの橋を渡りながら鏡川沿いを1周する約3km・9区間には熱き火花が飛び散った。
この日だけは野球帽を鉢巻に、背番号をゼッケンに、ボールをタスキにかえた足自慢の選手たちは、チームメイトや観衆の声援を受けて軒並み10分を切る快走を披露。
優勝は高知西とのデットヒートを8・9区で制した高知商Aとなったが、「区間賞や(区間賞以外のタイム上位9人に与えられる)ベストナインなど、個人表彰もあるので、普段のゲームメンバー以外の選手にも励みになるし、そんな選手たちが頑張ればチーム全体が活気付きますね」と、前・高知県高野連理事長の正木陽監督も、自らの結果云々より大会が与える効果に満足そうな顔を見せていた。
かくして今大会も大盛況のうちに幕を閉じた「高知県高等学校野球連盟駅伝大会」。もちろん来年以降も「心をつなぐ」駅伝大会は継続していく見込みである。
なお、大会結果は以下の通り。
【総合成績】約27km
順位 | 高校 | TIME |
---|---|---|
優勝 | 高知商A | 1時間19分14秒 |
2位 | 高知西 | 1時間20分9秒 |
3位 | 追手前A | 1時間20分23秒 |
4位 | 高知B | 1時間20分23秒 |
5位 | 明徳義塾A | 1時間20分32秒 |
【区間賞】
区 | 名前 | 高校 | 総合順位 | TIME |
---|---|---|---|---|
1区 | 道倉 健太 | 高知工 | 総合2位 | 8分18秒 |
2区 | 徳弘 聡太郎 | 高知西 | 総合16位 | 8分40秒 |
3区 | 山口 礼門 | 明徳義塾 | 総合1位 | 8分8秒 |
4区 | 筒井 大貴 | 伊野商 | 総合7位 | 8分29秒 |
5区 | 山田 貴也 | 高知商A | 総合8位 | 8分33秒 |
6区 | 田中 本氣 | 高知A | 総合13位 | 8分37秒 |
7区 | 一浦 嗣雄 | 高知小津A | 総合32位 | 8分47秒 |
8区 | 大崎 雄斗 | 高知B | 総合20位 | 8分42秒 |
9区 | 吉名 祥 | 高知商A | 総合10位 | 8分35秒 |
【ベストナイン】
名前 | 高校 | 総合順位 | TIME |
---|---|---|---|
家古谷 亮輔 | 高知商A | 総合3位 | 8分22秒 |
地部田 拓海 | 高知小津A | 総合4位 | 8分24秒 |
西本 紘将 | 高知西 | 総合5位 | 8分25秒 |
田中 宣城 | 追手前 | 総合6位 | 8分27秒 |
安岡 卓也 | 高知A | 総合8位 | 8分33秒 |
森田 祐 | 高知海洋 | 総合10位 | 8分35秒 |
南 昌吾 | 高知B | 総合10位 | 8分35秒 |
坂本 拓則 | 高知西 | 総合14位 | 8分38秒 |
武吉 優輔 | 窪川 | 総合14位 | 8分38秒 |
(文=寺下 友徳)