試合レポート

小豆島中央vs香川中央

2020.07.26

8・9回の大反抗で小豆島中央、待望の夏初勝利!

小豆島中央vs香川中央 | 高校野球ドットコム
9回表に決勝三塁打を放った小豆島中央3番・山神 大和(3年・左翼手)

 この試合の前夜・横浜DeNAベイスターズの2年目右腕・大貫 晋一投手が7回二死まで続けたノーヒットノーランと全く同じ。香川中央のエースナンバーを背負う右スリークォーター・稲木 友希(3年・165センチ67キロ・右投右打・綾川町立綾上中出身)の快投で進んだ小豆島中央香川中央の闘い。

 ただし、最終結果はノーヒットノーランを続けていた横浜DeNAベイスターズが快勝したNPBの舞台とは真逆。小豆島中央が8回に4安打・3四球・1犠飛で5点差を追いつき、9回表に二死三塁から3番・山神 大和(3年・左翼手・右投右打・174センチ71キロ・小豆島町立小豆島中出身)の右越三塁打で逆転を果たすという、実に夏の高校野球らしいダイナミックな展開であった。

 とはいえ、この大逆転は決して偶然ではない。劣勢の中にあっても小豆島中央は「稲木くんは力んでいたので後半勝負と選手たちには言っていた」と大西 玲治監督が振り返ったように、勝利への意気は全く失っていなかった。 そしてもう1つの殊勲功は3投手をリードしつつ、2つの二盗を阻止した中西 健(163センチ67キロ・右投右打・小豆島町立小豆島中出身)である。

 小豆島中時代は尽誠学園宝来 真己濵本 嵐士(現在は投手)大型バッテリーの陰に隠れ、古市 和真(3年・投手・169センチ63キロ・右投右打)と2番手バッテリーを形成していた中西。そこから指揮官も「よく野球の勉強をしている」と認める努力を重ね、旧チームから正妻の座に。さらに昨秋までは課題のあった二塁送球も「下半身を鍛えて体幹が安定するようになって、強いボールを投げられるようになった」。特に同点で迎えた8回表二死一塁からの「走ることは頭の中に入っていた中で低いボールを投げられた」二盗阻止は、チームの勢いを加速させる上での大きなポイントとなった。

 そして、2017年4月・小豆島土庄とが統合し新設4年目にして待望の夏初勝利をあげた小豆島中央の次戦は、最速147キロ右腕・内田 悠太(3年)がいる第2シード・大手前高松。間違いなく格上の相手を向こうに回して、3歳上の姉・愛さんが小豆島2年時にマネージャーとして2016年センバツ21隻枠出場を果たした快挙を身近で感じている中西をはじめ、2年半の間、双子の山を仰ぎつつ部員44人が心の手を結び続けた小豆島中央が、どのような戦いを見せるか注目したい。 

(レポート=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.14

慶應&大阪桐蔭が四国の5チームに伝えた「全国で勝つための方法」とは!? 香川・徳島招待試合がもたらした財産

2024.06.14

【群馬】甲子園春夏連覇に挑む健大高崎は勢多農林と藤岡北の勝者と対戦、同ブロックに桐生第一【2024夏の甲子園】

2024.06.14

【北海道】名寄支部では、稚内大谷が名寄と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.10

【沖縄】11日に抽選会!春の覇者・エナジック、ノーシードの沖縄尚学の対戦相手に注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得