Interview

【野球部訪問】長崎日大、夏の甲子園へのキーマンは”急成長する二刀流選手”

2024.05.25


三丸 悠成(長崎日大)

春季長崎県大会決勝では、二刀流で活躍をみせた長崎日大三丸 悠成。この試合、先発を任された三丸は、再三ピンチを背負うも、得意の変化球を投げ分けて、9回まで被安打2の無失点投球で好投。海星のエース・加茂 恵との投げ合いとなったが、0対0で迎えた9回裏二死、走者一塁の場面で、三丸に打順が回ると、「最後は自分が決めてやろうと思った」と鋭い振りで、ライト線への適時打を放ち、1対0のサヨナラでチームを優勝に導いた。平山監督からも「チームの中で打撃が最も期待できる選手です」と評されていたが、大事な決勝戦の舞台では投打での活躍をみせた。

そんな三丸の憧れの選手は、大谷 翔平である。
「大谷選手みたいにバッターでもピッチャーでも活躍できる選手になりたいと思っています。ピッチャーとしては大谷選手のフォームを参考にして取り組んできました。速い球を投げられて、ホームランもたくさん打てるところに憧れています」と目を輝かせながら語ってくれた。

そんな三丸の最大のライバルはエースの西尾 海純だ。同じチームにいながら、U-18日本代表候補にも選抜された注目の右腕だ。
「やっぱりまだ、西尾に負けているところがあるので、まずは西尾に追いついて、追い越して、最終的には自分がエースとなって、最後の夏までに背番号1を取りたいです」と語る。

日々、目標に向かって邁進する三丸の成長を、平山 清一郎監督も認めている。
「三丸は変化球を投げるのが得意で、新チームが始まってからの練習試合では、首を振ってでも変化球を投げることが多かったんです。それが、だんだんまっすぐにも自信が出てきて、これなら春の大会で勝負できるかなと思いました。春季大会の海星との決勝戦でも、自分で首を振ってインコースにストレートを投げ込んで、レフトフライに打ち取ったことがあったのですが、三丸の成長を感じた瞬間でした」

三丸にとって、成長の転機となったのは、2年生の秋季九州大会の決勝戦だ。
沖縄尚学戦では、途中登板し、打者6人相手に、2三振奪ったものの、被安打2、2失点と納得の行かない結果となった。
「自分では、まだ高いレベルの打線を抑えられないという現実を目の当たりにさせられました。もっと練習をしないといけないと思いました。春までに、何キロ体重を増やそうとか、球速をもっと伸ばそうということを目標にして練習に取り組んできたことで、春季大会では納得のいく投球ができるようになりました」

しかし、西尾との差も理解している。
「球速やコントロールでも、西尾にはまだ負けています。そこをもっと良くして、夏までにあと2段階ぐらい上げて、早く西尾に追いつきたいです。そのためには、下半身を使った投球をもっとできるようになる必要があると思っていて、下半身をもっと鍛えて、速球とコントロールを磨き上げていきたいです」

三丸の成長は、間違いなく甲子園を目指す長崎日大にとってプラスとなるはずだ。三丸・西尾の両投手が、夏のマウンドで躍動する姿を楽しみにしたい。

<関連記事>
◆【トーナメント表】春季長崎県大会 結果一覧
◆サヨナラで春季大会優勝 長崎日大・平山監督「大差で負けていた可能性も十分にあった」 海星相手の劇的勝利に感じた選手の成長
◆春季長崎大会を制した長崎日大の“飛ばない新基準バット”との向き合い方
◆春季県大会を制した長崎日大の監督は「まだまだチームは未熟」、14年ぶりの夏甲子園へのカギは化学変化
◆U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.23

「松坂さんを超える投手になる」偉大な先輩を夢に見る横浜のスーパー1年生が最速147キロを計測!4回5奪三振完全投球で決勝進出に貢献!

2024.07.23

全国トップレベルの投手陣が打ち込まれる…仙台育英、被安打19、8失点で15年ぶりの決勝戦敗退

2024.07.23

横浜がサヨナラ勝ちで決勝進出! 1年生右腕が147キロ計測で4回0封!春王者・武相との激闘制す!

2024.07.23

変則投手にも動じない今年No.1スラッガー・石塚裕惺(花咲徳栄)、知られざるルーティンとは?【24年夏・埼玉大会】

2024.07.23

センバツベスト4の中央学院が8回コールド負け…頼みの投手陣が打ち込まれる

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

【夏の逸材123人成績速報】198センチ左腕、世代屈指のスラッガー、大分の県立に現れた150キロ右腕などドラフト候補が大活躍!北海道NO.1左腕がプロ志望を表明

2024.07.21

愛工大名電が今夏3度目のコールド勝ちでV4に前進!長野では甲子園出場37回の名門が敗退【東海・北信越実力校20日の試合結果】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!