試合レポート

【NPB】松山市熱狂! 今季四国唯一のNPB公式戦にゆかりのある選手が続々登場

2024.05.15


ストレートの強弱で7回1失点の広島東洋カープ先発・床田 寛樹

球場開設3年目の2002年にスタートし、いまや四国地区の恒例行事となった愛媛県松山市・坊っちゃんスタジアムでのヤクルト主催公式戦。2年ぶりに2連戦へと戻った初戦は広島を迎え、5月14日(火)18時1分にプレイボールの時を迎えた。

広島にとっては瀬戸内海を挟み最も近いビジター戦という利点もあいまって18,363人もの観衆が詰めかける中、躍動したのは広島投打の軸。2年前にも坊っちゃんスタジアムで先発勝利投手となっている左腕・床田 寛樹投手(箕面学園-中部学院大)は6回表にこの日最速の147キロを出す余力を残しつつ、右打者には130キロ前半のチェンジアップ、120キロ台後半のスライダーを、左打者には130キロ中盤に到達するパームボールを効果的に配球し7回96球5安打2奪三振無失点で防御率と共にハーラートップに立つ4勝目。同じく2年前にも床田からマウンドを引き継いでいる2023年セ・リーグ最優秀中継ぎ投手・島内 颯太郎投手(光陵-九州共立大・)も155キロで場内をどよめかせ、最後は守護神・栗林 良吏投手(愛知黎明-名城大-トヨタ自動車)が流石の投球で3人で締めている。

加えて広島では、4番三塁手に定着した小園 海斗内野手(報徳学園)が試合後インタビューでは「たまたまです」と謙遜するも、「タイミングを早くとってピッチャーに入っていくことだけを意識する」成果を示しての6打席連続得点圏打点となる全2打点を叩き出す活躍。その他にも菊池 涼介内野手(武蔵工大二-中京学院大)の4打数4安打、6回裏二死満塁での中堅手・秋山 翔吾外野手(横浜創学館-八戸大-西武-MLBレッズ)の好守など攻守に光るプレーが多かった。

一方、敗れた東京ヤクルトも0対2の6回無死満塁からリリーフ登板した左腕・長谷川 宙輝投手(聖徳学園-ソフトバンク)も最速151キロ、常時140キロ後半のストレートを連発する圧巻投球で2回無失点。毎年松山で開催されている中学硬式四国王者決定戦・少年硬式野球四国選手権大会で、2016年大会MVPに輝いた武岡 龍世内野手(ヤング徳島ホークス-八戸学院光星)もチーム唯一の得点となった7回裏のソロアーチを含む2安打で故郷・四国への恩返しを果たしている。

史上最年少でのNPB通算200号に王手をかけ、打席のたびに大声援が響いたヤクルト・村上 宗隆内野手(九州学院)には安打こそ生まれなかったが、1球ごとにグラウンドを慣らす両軍内野陣や、対戦相手、審判へのリスペクトを忘れない両軍選手、監督コーチ陣の振る舞いなど四国地区のプレーヤー・指導者目線から見ても随所に参考になる部分がある好ゲームであった。

なお、本日5月15日(水)も同カードが18時より坊っちゃんスタジアムでプレイボール予定。ヤクルトは昨年、ドラフト2位指名の松本 健吾投手(東海大菅生-亜細亜大-トヨタ自動車)が公式戦初登板初先発。同球場では東海大菅生3年時の愛顔(えがお)つなぐえひめ国体以来に同球場での登板となる。広島も大学4年時に同球場で行われた米大学野球選手権に出場し、先発5回9奪三振無失点の好投を見せた広島・森下 暢仁投手(大分商-明治大)が先発。両先発右腕が思い出深きマウンドでどのようなパフォーマンスを見せるかにまずは注目が集まる。

この記事の執筆者: 寺下 友徳

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