試合レポート

【春季滋賀県大会】プロ注目右腕・田上航が好投!八幡商が延長戦を制して3位を勝ち取る

2024.05.07


八幡商先発の田上航

<春季近畿地区高等学校野球滋賀県大会:八幡商3-2比叡山>◇6日◇3位決定戦◇マイネットスタジアム皇子山

八幡商が延長戦を制して、3位になった。

八幡商はプロ注目の144キロ右腕・田上 航(3年)が先発。「相手は真っすぐに合っていない感じがあったので、9割くらい真っすぐで行きました」と130キロ台後半のストレートを中心とする配球で5回1失点と試合を作る。

6回からはエースナンバーを背負う増田 優輝(3年)に継投。制球力の高さを武器とする右腕の増田も走者を出しながらも丁寧な投球を見せて、追加点を許さない。

投手陣の頑張りに応えたい打線だったが、比叡山のエース左腕・渡邉 煌多朗(3年)を打ちあぐねる。130キロ台前半のストレートとスライダーを上手く織り交ぜる投球の前に8回まで4安打で無得点。4番の脇坂 航大(2年)も2三振と抑え込まれた。

3回裏の二死二塁から4番・猪飼 浩大(3年)の左越え適時二塁打による1点を8回まで守り抜いた比叡山。しかし、「あの子(渡邉)におんぶにだっこで夏を迎えるわけにはいかない」(河畑成英監督)と9回表から背番号10の右腕・髙橋 樹央(3年)への継投を決断する。

夏に向けて控え投手の頑張りに期待した比叡山だったが、先頭の脇坂に一塁強襲の内野安打で出塁を許すと、四球と犠打で一死二、三塁と一打逆転のピンチを招く。さらに7番・中嶋 勇夢(3年)に左犠飛を打たれて同点に追いつかれてしまった。その後も二死一、二塁とピンチは続いたが、ここは髙橋が踏ん張り、勝ち越しは許さない。

試合は1対1のまま延長戦に突入。無死一、二塁のタイブレークから始まる10回表の八幡商の攻撃は1番・大橋 虎二朗(3年)が死球で出塁して、無死満塁となる。

ここで打席に立つのは2番の磯部 煌太(2年)。この場面で同級生の脇坂が磯部のもとに駆け寄り、「俺の代わりにお前が決めてこい」と伝えたという。

磯部は1ボール1ストライクから内角のストレートを弾き返し、中犠飛で勝ち越しに成功。八幡商はその後、もう1点加え、2点リードで10回裏の守りについた。

八幡商は10回裏に一死二、三塁から1番・萬代 隆之介(3年)に中前適時打を打たれて1点を返されるが、スタートが遅れた二塁走者を三塁でタッチアウトにして、二死とする。続く打者に死球を与えて一、二塁とされるも最後は増田が3番・青木 翔大(3年)を見逃し三振に打ち取って、逃げ切りに成功した。

「チーム全員が泥臭くなって戦うことを目標にやってきたので、それが勝利につながったと思います」と話した小川健太監督。2011年夏を最後に甲子園から遠ざかっているが、昨夏から3季連続で4強と近年は復活の傾向にある。

今年は実力のある3年生投手5人を中心に分厚い選手層を誇る。「夏にしっかりと地力で勝ち上がっていけるようにチーム作りをしていきたいと思います」と勝負の夏に向けて、さらなる強化を目指す。

この記事の執筆者: 馬場 遼

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