全国大会出場を決めたのは既に3校!敗戦を成長の糧にできる教育的観点も準硬式の魅力だ!<田中裕毅の”準硬ドットコム”第16回>
2023年の全日大会を優勝した大阪経済大
各地区の全国への道のり
各地区の出場決定までの道のりは以下の通り。なお、情報は4月30日時点となる。
【北海道地区:全日2、清瀬1】
現時点で出場決定校はなし。
6月上旬より開催される1部リーグの上位2チームが全日、3位のチームが清瀬杯の出場権を獲得。
【東北地区:全日1、清瀬1】
現時点で出場決定校はなし。
4月6日から開催中の1部リーグ1位のチームが全日、2位のチームが清瀬杯への出場が決定する予定。
【関東地区:全日6、清瀬4】
3月の関東選手権で優勝した中央大が全日への出場決定。
残りは、各連盟の1部リーグ上位2チームと関東選手権準優勝・法政大の計11チームによるプレーオフで6月中に決定。
※中央大、法政大がリーグ戦を優勝した場合、準優勝と3位チームがプレーオフに出場。
【東海地区:全日3、清瀬2】
3月の東海選手権で優勝した中京大が全日への出場決定。
残りは、4月4日より開催中の東海地区1部リーグの優勝チーム、そして東海選手権準優勝・名城大と1部リーグ2~4位チームの計4チームによるプレーオフで優勝した2チームが全日。そのプレーオフで準優勝、3位チームが清瀬杯へ出場。
【北信越地区:全日1、清瀬1】
現時点で出場決定校はなし。
17チームを4つのブロックに分けたリーグ戦を4月20日より開催中。予選の成績上位3チーム、計12チームが6月よりトーナメント形式による春季大会で戦い、優勝すれば全日、準優勝は清瀬杯への出場が決定。
【関西地区:全日5、清瀬3】
現時点で出場決定校はなし。
リーグ戦を優勝した8チームによる第76回関西地区大学準硬式野球選手権大会(以下、関西選手権)を5月に開催。優勝、準優勝、3位の計3チームが、全日が出場決定。
残り2枠は、5月から6月にかけて開催される関西地区大学トーナメント大会(以下、関西地区大会)で優勝チームに1つ。そして準優勝チームと関西選手権4位チームによる決定戦の勝者に1つ与えられる。
清瀬杯は、関西地区大会の準決勝敗退の2チームと、決定戦で敗れた1チームが出場する。
【中国地区:全日1、清瀬1】
現時点で出場決定校はなし。
3月26日より開幕した1部リーグ戦の優勝チームが全日、準優勝チームと2023年の秋季リーグ優勝チームによる決定戦で勝った方が清瀬杯へ出場する。
【四国地区:全日1、清瀬1】
1部リーグを優勝した徳島大医学部が全日への出場決定。
残りは1部リーグ準優勝チームと2部リーグ優勝チームによる決定戦で勝った方が清瀬杯へ出場する。
【九州地区:全日4、清瀬2】
現時点で出場決定校はなし。
23チームによる全日本大学準硬式野球九州選手権大会にてベスト4が全日、準々決勝で敗れた4チームによるプレーオフで勝利した2チームが清瀬杯へ出場する。
選手として、社会人として成長できる大会
結果的に中央大と中京大、そして徳島大医学部が一足早く全日大会への出場が決まっていた。それ以外は5月ないし6月にかけて決まる模様だ。
関東や関西はチーム数の多さもあってか、全国への道のりはかなり複雑で険しい。と同時に、高校野球とは違ってトーナメントによる一発勝負で敗れても、リベンジのチャンスが与えられている地区が多いことも準硬式の特徴だ。
もちろん、一発勝負だからこそ醸し出される緊張感は高校野球の醍醐味の1つだ。ヒリヒリした真剣勝負のなかで描かれるドラマが劇的だからこそ、多くのファンが高校野球に魅了されるわけだが、選手たちの将来を考えれば、準硬式の仕組みも魅力的だ。
社会に出ていけば、日々PDCAを回して失敗と成功を繰り返す。退職するまで成功が続くわけではない。失敗をどう次に生かしていくかが大事になる。
その点で見れば、トーナメントで一度敗れてからチーム内で反省・改善を尽くし、もう一度全国へチャレンジできる。準硬式の仕組みは社会に出ていく前のいい訓練だとも捉えられる。
社会人を育てる側面も持った予選会。険しく、厳しい全国への道を駆け上がる学校はどこになるのか。