試合レポート

対外試合解禁! 昨年センバツ覇者・山梨学院が浦和学院と対戦!ベンチ入り狙う1年生投手が力投

2024.03.03


津島 悠翔(山梨学院)

<練習試合:浦和学院8-2山梨学院>◇2日 浦和学院グラウンド

3月2日から対外試合が解禁し、全国各地で練習試合が行われた。センバツ出場校にとっては残り2週間で、チームを仕上げる事が必要だ。

3年連続7回目出場で、昨年センバツ優勝の山梨学院は埼玉の名門・浦和学院との初戦を迎えた。
この日のテーマは当落線上の選手たちの見極め。
すでにセンバツ出場校はベンチ入り選手の一次登録が完了しているが、センバツ前日までにメンバー変更が可能となっている。

山梨学院の吉田 洸二監督はこの冬に伸びてきた投手たちを起用した。先発の加藤 優羽投手(1年)が先発したが、2回5失点と悔しい投球に終わった。2番手の津島 悠翔投手(1年)が好投。しなやかな腕の振りから繰り出す120キロ後半の速球は球速表示以上に伸びがあり、強打の浦和学院打線を打ち取った。横浜青葉ボーイズ時代から注目され、1年春からベンチ入り。夏の大会でも登板したが、秋は未登板に終わった。この冬は課題だった級位アップを目指し、ウエイトトレーニングなどに励んだ。オフから2キロ増量。今回の投球に手応えを感じていた。

「秋と比べると出力は上がっている感じはあります。自分はキレの良い変化球が持ち味なので、それはしっかりと投げることができました」

津島もベンチ入りを狙う立場である。
「甲子園で投げたいですし、これからもアピールしたいです」と意気込んだ。
7回表、3番手には同じく1年の山岸 翔輝投手が登板。178センチ71キロとがっしりした体型の右腕で、左足をゆったりと上げてから、捕手方向へ真っ直ぐ体重移動を行い、大きく振り下ろすオーバーハンドだ。10度以下の寒空の中でも、最速137キロをマーク。威力ある速球で詰まらせ、7,8回を無失点に抑えたが、9回には3点を失い、課題を残す内容となった。
吉田監督は山岸のストレートの強さは評価しつつも、課題をこう語った。
「この冬、しっかりと練習して、ストレートも伸びてきました。ただ、ブルペンで投げるのと、実戦で投げるのとでは得られるものも変わってきます。この日はボール球で外したほうがよいところでストライクを投げてしまったのは反省点ですね」
山岸も「ストレートの出力は高まってきた感じはありますが、オフにずっと練習してきた低めのストレートと変化球をしっかりと投げられず、失点したのは反省点です。修正して次の練習試合で好投したいです」と課題を語った。

打線では1番に入った河内 佑樹外野手 (2年)は2安打の活躍。140キロ超えの速球を投げ込む浦和学院のエース・鈴木 由馬投手(2年)にしっかりと食らいつくことが出来てた。吉田監督も「一番反応が出来ていた」と高評価。河内は「スタメンで甲子園に出場したい」と意気込む。

この日光ったのは内野守備。特に三塁・針尾 泰一内野手(2年)、遊撃・平野 天内野手(1年)の守備力の高さは秀でたものがある。針尾は三塁線上の打球を逆シングルで捕球し一塁へのダイレクトスロー。平野も三遊間への打球を追いついてアウトにする好プレーを魅せた。この守備に浦和学院の森 大監督も「三遊間が素晴らしかったです。また、状況判断が長けた走塁も見事でしたし、うちのチームは守備と走塁が課題でもあるので、見習うところばかりでした」とたたえていた。

2対8で敗れたが吉田監督は「天候の問題で、なかなか紅白戦ができなかった時期がありましたので、不安はありました。このような点差になりましたが、私が想定していた以上に出来ていたと思います。この時期は選別の時期で、さらに選手のアピールを期待しています」と試合内容については一定の評価をしていた。

昨年の山梨学院は解禁明けの練習試合でも浦和学院に敗れている。そこから戦力を立て直して、優勝につなげていった。残り2週間でどんなチームを作り上げるか注目だ。

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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