ヤクルト奥川、大きな自信をつけた防御率0.00の快投<思い出の明治神宮大会>
あの右腕が来季の完全復活を目指している。ヤクルトの奥川 恭伸投手(星稜出身)は、右肘痛などから復活を目指し、11日に行われた四国IL愛媛との練習試合で登板し3回を無失点に抑えた。球速も154キロをマーク。完全復活へ、大きな手応えをつかんでいる。
奥川は星稜(石川)時代、2年春夏、3年春夏に甲子園を経験した。2年春にはベスト8、3年夏には準優勝の成績を収めているが、もうひとつ全国大会で大きな実績を残している。
2018年、2年の秋の明治神宮大会でチームを準優勝に導いた。奥川は初戦の広陵(中国)戦で先発し、7回をわずか3安打無失点に抑えて9対0の7回コールド勝ちに貢献した。奪った三振は11を数え、素材の高さを証明した。
続く高松商(四国)との準決勝では先発7回4安打1失点(自責0)。奪った三振は12にも上った。決勝の札幌大谷(北海道)戦は、1対2と逆転を許した後の7回途中からマウンドへ。打者4人を3奪三振を含め完全に抑える好投を見せた。チームは惜しくも準優勝に終わったが、奥川自身は3試合15.1回を投げて26奪三振、防御率は0.00。大きな自信をつかんだ大会だった。
翌年の夏甲子園では星稜を準優勝に導く快投を見せ、秋には神宮を本拠地とするヤクルトからドラフト1位指名を受けた。明治神宮大会の活躍は、その後の奥川の人生を飛躍させることになったことは間違いない。
プロ2年目となった2021年には18試合に先発し9勝(4敗)を挙げ、チームのリーグ優勝、日本一に貢献し、大ブレークした。来季は、再び神宮球場で躍動する奥川を見たいものだ。