試合レポート

【仙台六大学】仙台大コールド快勝!スイッチ転向の「ポスト辻本」候補・平川蓮が右打ちで全打席出塁

2023.11.05


<仙台六大学野球秋季新人戦:仙台大8-1東北学院大(7回コールド)>◇4日◇2回戦◇東北福祉大
仙台六大学野球秋季新人戦は4日、2回戦2試合が行われ、仙台大は東北学院大相手に8対1で快勝した。打線は初回、3番・大塚 碧人内野手(1年=霞ヶ浦)の犠飛で幸先良く1点を先制する。その後も5番・木村 泰賀外野手(2年=常磐大高)のソロ本塁打などで着実に加点し、7回には4点を奪いコールド勝ちを収めた。

先発の山名 健心投手(2年=霞ヶ浦)は6回3安打1失点と好投。7回は佐藤 幻瑛投手(1年=柏木農)が自己最速タイ152キロを2度計測するなど150キロ台を連発し、圧巻の投球で3者凡退に抑えた。
打線を勢いづけたのは、「2番・遊撃」でフル出場し2安打をマークした平川 蓮内野手(2年=札幌国際情報)。右投げ左打ちの内野手だが、東北学院大の左腕・堀川 大成投手(2年=東日本国際大昌平)が先発したこの日は4打席とも右打席に入った。元々は右打ちで、投手だった高校2年時、右肘を痛めた影響で左打ちに転向。内野手に挑戦し始めた大学でも左打ちだったが、リーグ戦などで打席を経験する中で対左投手の苦手意識が強まっていたことから、スイッチヒッターへの転向を決断した。

両打ちの練習を始めたのは新人戦の約1週間前。大学入学後、試合で右打ちを披露するのはこの日が初めてだった。初回の第1打席は無死二塁から中前打を放ち好機を拡大。3回の第2打席では内野安打と悪送球で二塁に進んだ後、三盗を決めて追加点を呼び込んだ。第3打席は敵失、第4打席は四球で、全打席で塁に出た。平川は試合後、「右打席の方が左投手の球は見やすかった。右はバットコントロールが良いので、コンパクトな打球を打つことを意識できました」と手応えを口にした。

今秋のドラフトでは、正遊撃手だった辻本 倫太郎内野手(4年=北海)が中日から3位指名を受けた。辻本が仙台大野手初の支配下指名を勝ち取ったことでプロへの思いが強まった一方、「倫太郎さんと同じ練習をしていてもうまくいかない。倫太郎さんよりも練習量や食事量を増やして、まずは体をつくろう」と気を引き締めるきっかけにもなった。
スイッチヒッター転向は、プロを目指す上で見つけた新たな挑戦だ。決勝に向けては「明日(5日)右投手と対戦することになった時に打てるか心配ですけど、今日帰ったら左で練習します」と気合いを入れていた。

先発の山名は「テンポ良く打者を打ち取る、自分のピッチングができた」と安堵の表情。140キロ前後の直球とカットボールやスプリットなどの多彩な変化球を駆使して最少失点に抑えた。今秋のリーグ戦は1試合の登板に終わり、その登板では1死も取れずに5失点を喫して降板した。「ケガ明けの登板で、自分の調整不足だった」と反省し、再起を図って臨んだ新人戦のマウンド。苦い記憶を払拭する好投となった。
取材・文=川浪康太郎

この記事の執筆者: 川浪 康太郎

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