試合レポート

【近畿】1回戦 京都国際 vs 田辺

2023.10.22


京都国際が延長10回にサヨナラ勝ち!52年ぶり出場の田辺も大健闘

<秋季近畿地区高校野球大会:京都国際3ー2田辺(延長10回タイブレーク)>◇22日◇1回戦◇大阪シティ信用金庫スタジアム

京都2位の京都国際が和歌山2位の田辺相手に延長10回サヨナラ勝ちを収めた。

県大会で市立和歌山智辯和歌山を下して52年ぶりの近畿大会出場をつかんだ田辺は、初回から力を発揮する。1回に、2死二塁のチャンスを作ると、智辯和歌山戦で逆転満塁本塁打を放っている4番・山本 陣世内野手(2年)の左前適時打で先制点を挙げた。

その裏、先発マウンドに上がった寺西 邦右投手(2年)は「近畿大会の緊張感があってなかなかストライクが取れなかったです」と連続四球などで1死満塁のピンチを招く。ここで田辺は伝令を送って間合いを取ると、そこから連続三振を奪い、無失点で切り抜けた。

このまま試合を優位に進めたい田辺だが、ここ数年で近畿大会常連校になりつつある京都国際も簡単に主導権を渡さない。主将を務めるエース左腕の中崎 琉生投手(2年)は「ストレートで押せたのが今日は良かったと思います」とキレのある直球をコースに投げ分け、2回以降は本来の投球を見せ始める。

すると、3回に1死二塁とし、「バットコントロールが良い。安定感があって、1試合で確実に2、3本は打ってくれる」と小牧憲継監督が評価する4番の髙岸 栄太郎外野手(2年)が右前適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。

そこからは寺西、中崎による投手戦が続く。8回に田辺は2死一、二塁から3番・山本 結翔内野手(2年)の右前適時打で勝ち越すと、その裏に京都国際も2死三塁から髙岸の左前適時打で同点に追いつく。両者譲らず、試合は延長戦に突入した。

無死一、二塁のタイブレークから始まる延長10回表、田辺は先頭に家高 良宜内野手(2年)を起用。初球にバントエンドランを仕掛けるが、バントは空振りとなり、二塁走者は三塁タッチアウトとなる。中崎はこの後、三振と二塁ゴロに打ち取り、無失点で10回表を乗り切った。

その裏、京都国際は先頭の1番・清水 詩太内野手(1年)がバントを失敗してしまうが、2番・三谷 誠弥内野手(2年)が投手と三塁手の間にプッシュバントを決めて、1死満塁とする。

ここで打席に立つのは3番の澤田 遥斗外野手(2年)。「初球の真っすぐに張って、腹を括っていました」と初球の直球を捉えると、一、二塁間を破る安打となり、京都国際がサヨナラ勝ちを収めた。

「もう少し楽に勝ちたかったですけど、こういう苦戦も覚悟はしていました。最後は甲子園に行きたいという気持ちが少し上回った気がしますね」と語った小牧監督。3季ぶりの甲子園を目指す強豪校が勝負どころで意地を見せた。

10回を完投した中崎は6安打、2死球、12奪三振で2失点。「1年間磨いてきたストレートをこの場で発揮することができた」と胸を張った。

そして、目を見張ったのが京都国際の守備力の高さだ。1年夏から正遊撃手を務める藤本 陽毅内野手(2年)を体調不良で欠く中、代わりに出場している清水が好プレーを連発。9回には2死二塁から三遊間に抜けそうなゴロをスライディングキャッチして一塁をアウトにしている。京都国際では多彩なボール回しで守備力を鍛えているが、その成果をしっかり発揮したと言えるだろう。

清水は試合前日に藤本から「明日、勝ってこい」とLINEを送ってもらったそうだ。チームのピンチをピンチと感じさせない新星の活躍に今後も注目したい。

敗れた田辺も久しぶりの大舞台で善戦。「中学時代に有名な選手おらず、軟式出身の子がほとんど。刺激になったと思いますし、自信になったと思います」と田中格監督はこの一戦で確かな手応えをつかんだようだ。市立和歌山智辯和歌山を破ったのはフロックではない。それを証明するのに十分な戦いぶりだった。
取材・文=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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