【近畿】大阪桐蔭が近畿大会3連覇に向けて快勝発進！高田商の好投手を攻略

大阪桐蔭が近畿大会3連覇に向けて快勝発進！高田商の好投手を攻略

＜秋季近畿地区高校野球大会：大阪桐蔭6－0高田商＞◇21日◇1回戦◇大阪シティ信用金庫スタジアム
5年連続のセンバツ出場（新型コロナの影響で中止となった2020年を含む）を目指す大阪1位の大阪桐蔭が、奈良3位の高田商に快勝した。

高田商は主将を務めるエース左腕の仲井 颯太投手（2年）が先発。チェンジアップを武器とする制球力のある左腕だが、この日は8四球と乱調だった。その原因を仲井はこう語る。
「コースにこだわってしまいました。ボールが続いてフォームを気にしてしまって、自分で追い込んでしまったのが、自分をダメにしてしまったと思います。甘いところに投げたら打たれるというのがあったので、慎重になりすぎたというか、もっと打たせていけばよかったと反省しています」

強力打線を誇る大阪桐蔭だけに、甘い球は禁物という考えが仲井にはあった。しかし、結果的に被安打は7本に留めている。打たれても良いからストライク先行という意識があったら、違った結果になっていたかもしれない。
こうした仲井の状態を大阪桐蔭打線はしっかりと利用していた。1対0で迎えた2回には連続四球で1死一、二塁のチャンスを作ると、1番・境 亮陽外野手（2年）の中前適時打で追加点を奪っているが、これは初球を捉えたもの。真ん中低めの球を打ったという境はこの打席での狙いを次のように振り返った。

「四球の後はどうしてもストライクを取りたいと思うので、そこをチャンスで打っていけたので良かったと思います。相手投手は左打者に対して高めに抜ける真っすぐが多かったので、そこを捨てて真ん中から外に取りに来た球を打ちに行こうと思いました」

相手投手の心理を見事に利用した攻撃で、大阪桐蔭は得点を積み重ねた。3対0で迎えた5回にも先頭の4番・ラマル ギービン ラタナヤケ内野手（2年）が四球で歩いた後に「四球の次の打者で投手は初球を取りたいと思うので、甘い球を来る確率が高くなると思いました」と5番・内山 彰梧内野手（2年）が初球を打って右翼に二塁打を放っている。この回に大阪桐蔭は2点を加えて試合を決定づけた。仲井は簡単に攻略できない投手ではあるが、自分たちの土俵に持ち込んだことが、最終的に6得点に繋がったと言えるだろう。

投手陣も盤石で、先発の平嶋 桂知投手（2年）が6回3安打無失点と好投。その後は南 陽人投手（2年）、森 陽樹投手（1年）と繋いで高田商打線を無失点に抑えた。
点差が開いたこともあり、後半は控え選手を積極的に起用。ベンチ入り20人中18人が出場するなど、次戦に向けての備えは万全だ。近畿大会3連覇に向けて死角はない。
取材・文＝馬場 遼