【関西学生野球】来年のドラフトの目玉・金丸夢斗の活躍で関西大がリーグ制覇!
完封勝利を収めた金丸夢斗(関西大)
来年のドラフトの目玉・金丸夢斗の活躍で関西大がリーグ制覇!〈関西学生野球〉
<関西学生野球連盟秋季リーグ:関西大2-0関西学院大>◇20日◇第7節1回戦◇わかさスタジアム京都
関西大が関西学院大を2対0で下して2季ぶり40度目の優勝を果たした。
優勝の立役者となったのがエース左腕の金丸 夢斗投手(3年=神港橘)だ。最速153キロの直球にスライダー、カーブ、スプリット、チェンジアップを投げ、早くも来年のドラフト1位候補に挙げられている。
今季は6試合に先発登板して6勝0敗で防御率0.35。51回で74奪三振、32安打、四死球8、失点2の好成績を残している。
この日も初回に球場のスピードガンで151キロを計測するなど、上々の立ち上がりを見せたが、「ストレートの質や変化球のキレがいつもより悪かった」と決して本調子ではなかった。
それでも勝負どころで内角を突く投球を見せ関西学院大打線を封じる。今季は、ここまで全て2ケタだった奪三振数こそ7に留まったが、6安打2四球で完封勝利を収めた。
絶対的エースとして君臨する金丸だが、今春のリーグ戦途中に右膝の炎症で戦線離脱。金丸を欠いた関西大は最終節の近畿大戦で勝ち点を落とし、優勝を逃している。
「僕のせいで春は(全国大会に)行けなかった」と責任を感じた金丸は、トレーニング方法や投球フォームを改善。「力感なく、どれだけ良いストレートが投げられるかをしっかりと練習でも追求してきたので、その成果が出たと思います」と従来よりも進化した姿をこの秋に見せつけた。
その金丸の投球を引き出したのが、主将の有馬 諒捕手(4年=近江)だ。高校時代から世代屈指の名捕手として活躍してきた有馬は、大学でも順調に成長し、今年の侍ジャパン大学代表にも選ばれている。
定評のあるリードの上手さはこの試合でも光り、「本調子からは程遠かった」という金丸を今季2度目の完封勝利に導いた。
しかも、ただ抑えただけではない。この試合は関西選手権に出場する他リーグの優勝校が偵察に来ていた。「金丸のデータを取りに来ていると思っていたので、自分の頭で考えながら次に生かせるような配球を考えていました」と次なる戦いも見据えながら配球をしていたという。優勝が懸かったロースコアの接戦の中でも、こうした配慮ができる思考力の高さは、上のステージでも重宝される捕手になれる要素となるだろう。プロ志望届を提出している有馬が26日のドラフト会議で指名されるかにも注目だ。
優勝を決めた関西大は明治神宮大会の出場権を懸けた関西選手権に出場する。「日本一が目標なので、通過点として、これからも一戦必勝で頑張っていこうと思います」と意気込む金丸。黄金バッテリーを擁する関西大は優勝候補の本命となりそうだ。
(記事=馬場 遼)