Column

大阪桐蔭・前田悠伍はオリックス・宮城大弥を超えるポテンシャルがある、プロ関係者が明かした本当の評価【ドラフト】

2023.10.14


前田悠伍(大阪桐蔭)

今年の高校生投手No.1の呼び声が高い、大阪桐蔭の左腕・前田 悠伍投手(3年)。大学生投手の上位指名が予想される中でも、プロ側は彼を非常に高く評価していることが分かった。
(本記事前編:大阪桐蔭・前田悠伍「ドラフト上位は確実」、プロ関係者が語る高評価の驚くべき理由」を読む)
続いて、プロ側が描く「前田の将来像」について話題を移そう。

宮城大弥に近い指先の感覚

1年秋から大阪桐蔭でベンチ入りし、大舞台での経験も十二分にある前田。自在に操れるチェンジアップを決め球に持ち、天性のマウンド捌きも備えている。これは即戦力と言ってもいいのではないか?
「いやいや、あの佐々木朗希でも1年目で投げてないくらいだから、1年目から投げる即戦力という感じではないと思うね。最近のプロはそもそも高卒1年目から投げさせないし」(プロ野球球団関係者・A氏)
「そうですね。もともと強いボールを高校2年のときは投げられてましたが、今年の夏の大阪大会とか、なかなか登板出来ていなかった時もありましたよね。まだ体ができてないかな、とは思います」(別のプロ球団幹部・B氏)

ルーキーからの活躍は難しいとしても、最近の高卒左腕では、オリックスの宮城大弥が2年目からローテーション入りし、大活躍している(13勝4敗、防御率2.51)のだが……。
「前田君が持っているポテンシャルやマウンド捌きを見ていると、ある程度早い段階から行けそうな気もする。2年目からのローテ? 早くて2年目から投げ始められるんかって感じかな。完全に先発の一角としてローテでバチバチいけるっていうのはちょっとまだ難しいと思う」(A氏)
「やっぱり体ができていないと思いますよ。指先の感覚的なものはオリックスの宮城と近いものはあると思います。しかしまだ宮城ほどのボールの強さが出てきてないんですよね。ファームでしっかり体を作ったあと、登板間隔を開けて試運転して、3年目、4年目で1軍のマウンド、みたいな感じかなと思います」(B氏)
前田にはぜひ、プロ関係者の期待を超える成長曲線を描いてほしい。

似たタイプは「阪神左腕エース」「ロッテCS進出の立役者」

では、プロ側は前田をどのようなポジションでの活躍に期待しているのだろうか? 筆者は阪神の左のエース・伊藤将司のような技巧派左腕への成長を想像している。
「クローザーみたいに力で行ける投手を速球派、変化球を交えながらコンビネーションで打ち取るタイプを技巧派とわけるなら、伊藤将司も前田君も技巧派だよね。もちろん伊藤将司のストレートが弱いわけじゃないよ。前田君が155キロとか投げる感じは想像しづらい。コンビネーションで緩急つけていくイメージかな」(A氏)
「前田君も伊藤将司と同じ先発タイプの技巧派だと思います。いまのプロで1番近い選手だと、ロッテの小島和哉みたいな感じなのかなあ」

将来、前田悠伍はどんなピッチャーになっているだろうか?
「似ているタイプはロッテの小島、阪神・伊藤、オリックス・宮城。だけど前田君のポテンシャルを考えたら、もっと上を目指して欲しいかなという期待はあるね」(A氏)
「理想は毎年先発ローテーションに入って、二桁勝利をずっと続けて欲しい。しっかりゲームを作って、チームに貯金を作れるようなエースになってほしいと思います。」
10月26日、前田を獲得するのはどの球団になるのだろうか?

(取材:鎌田光津希)

この記事の執筆者: 鎌田 光津希

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