試合レポート

おかやま山陽「日大クエスト」ならず、夏4強・土浦日大に屈する<かごしま国体>

2023.10.11


おかやま山陽「日大クエスト」ならず、夏4強・土浦日大に屈する<かごしま国体>

<かごしま国体高校野球:土浦日大7-1おかやま山陽>◇10日◇1回戦◇平和リース

夏の甲子園4強の土浦日大(茨城)と同8強のおかやま山陽(岡山)との対戦。甲子園では日大山形(山形)、大垣日大(岐阜)、日大三(西東京)と日大勢を破って8強入りしたおかやま山陽が、4度目の日大撃破なるかが注目された一戦だった。

初回の攻防が大きく明暗を分けた。

表の土浦日大は2死一、二塁から5番・太刀川 幸輝外野手(3年)が中越え2点適時二塁打を放って先制した。

裏のおかやま山陽も1死一塁から主将の3番・渡邊 颯人内野手(3年)が左越え二塁打を放つ。一走・山﨑 徠夢外野手(3年)が本塁を目指すも、土浦日大が見事な連係プレーで本塁アウトを取り、得点を与えなかった。

3回、土浦日大は5番・太刀川の2打席連続二塁打で2点を加え、4点とリードを広げた。

5回には3番・松田 陽斗内野手(3年)の左前適時打と主将の4番・塚原 歩生真捕手(3年)の内野ゴロで2点、7回は2番・香取 蒼太外野手(3年)の左越え三塁打で1点と、好機を着実にものにし、10安打7得点、残塁わずか3と効率の良い攻めが光った。

おかやま山陽も4回から6回まで5安打を浴びせ、土浦日大の好左腕・藤本 士生投手(3年)を攻めたが、いずれも併殺で生かせず。

7回2死と、あとアウト1つでコールド負けというところまで追い込まれたおかやま山陽だったが、7番・藤井 潤政内野手(3年)が左越え二塁打を放って望みをつなぐ。

ここで代打に立ったのが焔硝岩 央輔内野手(3年)。珍名字と甲子園の日大山形戦の代打で逆転打を放って注目された焔硝岩が中前適時打を放って意地の1点を返し、コールド負けを阻止した。だが、反撃もここまでで、土浦日大が夏の甲子園に続く4強入りを果たした。

5番・太刀川の2本の二塁打が土浦日大に大きな勢いをもたらした。

初回の2死一、二塁の場面は「追い込まれた分、バットを短く持って、スタンスも狭めてコンパクトなスイングで強い打球を心掛けた」とスライダーを力強く弾き返した。圧巻だったのは2打席目。こちらも直球を2つファウルして追い込まれ、狙いと違ったスライダーだったが「うまく球の軌道にバットを乗せられた」技ありのスイングで左中間を抜ける二塁打となった。

「ずっと練習してきた守備からリズムを作る野球ができた」ことを何よりも喜ぶ。1回、自分の頭上を抜かれる長打を抜かれたが、慌てることなく遊撃手・後藤 陽人内野手(3年)につなぎ、見事な連係プレーで余裕を持って本塁アウトがとれた。4回から6回に3イニング連続で併殺がとれて、ピンチをしのぎ攻撃に流れが作れたのも「徹底してやってきた練習の成果」と胸を張る。

ただ1つ悔やまれたのが7回の場面。2死から7番・藤井の打球は追いついてグラブに収めかけたが、捕球しきれず二塁打となり、ここから1点を返されて、コールドで勝ち切れなかった。

「鹿児島の球場は海が近くて風があるのを計算に入れてなくて、落下点まで最短で入れなかった」。元分析班らしく、打撃だけでなく自身の守備も冷静に分析して反省する。「もう1試合できるので、この反省を次に生かしたい」と前向きに切り替えた。次の履正社(大阪)戦が高校最後の公式戦となる。「相手も強いチームだけど、今日(10日)と同じように守りからリズムを作り、相手が嫌がる野球をやりたい。何より最後の高校野球を楽しみたい」と張り切っていた。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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