試合レポート

【京都】準々決勝 京都国際 vs 福知山成美

2023.10.01


中崎 琉生(京都国際) ※写真は過去の取材より

京都国際が逆転勝ち!エースで主将の中崎が1失点完投

<秋季京都府高校野球大会:京都国際9-1福知山成美>◇30日◇準々決勝◇わかさスタジアム京都

3季ぶりの甲子園出場を目指す京都国際が逆転勝ちで近畿大会出場に王手をかけた。

京都国際の先発は主将も務める最速141キロ左腕のエース・中崎 琉生投手(2年)。「序盤は調子があまり良くなった」と2回までは無失点に抑えるも3安打1四球とピリッとしない。

3回には2死から3番・中井 佑(1年)に三塁線を破る二塁打を打たれると、続く4番・藤原 蓮(2年)に右前適時打を浴びて先制点を許してしまう。

早く反撃したい京都国際だったが、福知山成美の先発・藤原の緩急を使った投球の前にあと1本が出ない展開が続き、5回まで2安打無得点に抑えられた。

今夏は準々決勝の立命館戦で敗退している京都国際。その時は先発した中崎が3回までに3点を奪われ、そのビハインドを取り返せずに1対4で敗れるというものだった。

当時のことが頭をよぎる試合展開に小牧 憲継監督は「このままだったら夏と一緒。これをひっくり返してこそ成長だぞ」と選手に声をかけたという。すると、選手たちがその言葉に応えた。

6回に2死三塁から7番・奥井 颯大(2年)の右前適時打で同点とする。7回には連打で無死一、三塁のチャンスを作ると、「バントが上手」と小牧監督が評する2番・三谷 誠弥(2年)がスクイズを決めて勝ち越しに成功。さらに捕逸と4番・髙岸 栄太郎(2年)の左前適時打でリードを3点に広げ、藤原を攻略した。

これで流れに乗った京都国際はさらに畳みかける。8回には無死一塁から京都国際OBの森下 瑠大投手(現・DeNA)の弟である森下 渓介投手(1年)が福知山成美の3番手として登板してきたが、1番・石田 煌飛(2年)の右越え適時三塁打と3番・澤田 遥斗(2年)の右前2点適時打で3点を追加。9回にも2点を加え、福知山成美を大きく引き離した。

中崎も4回以降は立ち直り、キレのある直球を武器に1失点完投。終わってみれば、9対1の圧勝だった。

「点差以上に苦しい試合」と小牧監督は振り返るも、後半に突き放したのは地力がある証拠だろう。中崎、奥井捕手、中堅手の澤田、中軸を打つ髙岸と、旧チームから公式戦を経験している選手が多く残っている京都国際。1年夏から正遊撃手の藤本 陽毅(2年)は体調不良で外れているが、代わりに出場した清水 詩太(1年)も軽快な守備を見せるなど、藤本の穴を見事に埋めてみせた。京都国際はここ数年で京都における横綱の地位を確固たるものにした印象があるが、この代も府内でトップクラスの戦力があると見て良いだろう。

準決勝で勝てば、近畿大会出場が決まる。「エースとしてもキャプテンとしても自覚を持ってマウンドに上がりたいと思っています」と中崎は次戦に向けて意気込んでいた。

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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