【U-18】初の世界一に輝いた高校日本代表 悲願達成までの軌跡を振り返る
高校日本代表が悲願の世界一を達成した。エース・前田 悠伍投手(3年=大阪桐蔭)を筆頭に、MVPに輝いた緒方 漣内野手(3年=横浜)、ベストナインに輝いた東恩納 蒼投手(3年=沖縄尚学)らが馬淵監督のもとで世界の猛者を相手に奮闘した。今回は世界一までの道のりを写真とともに振り返っていく。
<壮行試合>
【vs大学日本代表 8 – 0】
強力投手陣の前に3安打完封負けを喫した高校日本代表。本大会に向けて野手陣は課題を残しつつも、投手陣は奮闘を見せて収穫を残した。特に先発した前田 悠伍投手(3年=大阪桐蔭)は2回3奪三振無失点と、大学生スラッガー相手に真っ向勝負で封じた。他にも木村 優人投手(3年=霞ヶ浦)、東恩納 蒼投手(3年=沖縄尚学)など、本大会でも好投した投手たちが、大学生相手に好投を見せた。
<オープニンググラウンド>
【vsスペイン 10 – 0】
オープニングラウンドの初戦・スペインとの一戦は、10対0の6回コールドと幸先よいスタートを切った。特に4番に座った森田 大翔内野手(3年=履正社)、7番ながら3安打の活躍を見せた緒方 漣内野手(3年=横浜)の活躍が目立った一戦だった。
【vsパナマ 7 – 0】
初戦・スペインとの一戦で勢いづいた日本代表は、2戦目・パナマも7対0で下した。初戦に続き、緒方 漣内野手(3年=横浜)が3安打をマークする活躍を見せれば、主将・小林 隼翔内野手(3年=広陵)も4安打を放つなど、打線が再び活躍を見せる一戦だった。
【vsアメリカ 4 – 3】
2連勝で迎えた第3戦・アメリカは、4対3の末に日本が勝利。強敵に勝利し、さらに勢いに乗った。初回に森田 大翔内野手(3年=履正社)のタイムリーで幸先よく2点を奪うと、今大会初先発の前田 悠伍投手(3年=大阪桐蔭)が5回途中まで無失点の好投。最後はアメリカの意地で猛追を受けたが、森 煌誠投手(3年=徳島商)の好リリーフで3連勝を飾った。
【vsベネズエラ 10 – 0】
ベネズエラとの第4戦は、中盤に主導権を握り、10対0の快勝で4連勝となった。0対0の4回に打者一巡で一挙5得点でリードを奪うと、6回には4点を追加。守っても今大会2度目の先発だった東恩納 蒼投手(3年=沖縄尚学)が4回1安打無失点の好投。終わってみれば11安打10得点でベネズエラに勝利した。
【vsオランダ 0 – 1】
オープニングラウンドの最終戦・オランダとの一戦は、0対1の惜敗。4勝1敗でスーパーラウンドへ駒を進めることになった。先発した髙橋 煌稀投手(3年=仙台育英)が4回1失点で試合を作ったものの、打線が1安打に沈黙。チャンスを作ることが出来ず、スーパーラウンドに向けて課題を残す一戦となった。
<スーパーラウンド>
【vs韓国 7 – 1】
スーパーラウンドの初戦はライバル・韓国が相手となったが、結果は7対1と攻守で主導権を握った日本が勝利した。先発した前田 悠伍投手(3年=大阪桐蔭)が初回三者凡退で抑えると、打線は2階に一挙3得点。前田を援護することに成功する。
その後、3対1と韓国に詰め寄られたが、6回には2番に入った山田 脩也内野手(3年=仙台育英)にホームランが飛び出すなど4点を追加。これがダメ押しとなり、日本が韓国を下した。
【vsプエルトリコ 10 – 0】
スーパーラウンド2戦目はプエルトリコが相手だったが、投打で圧倒して10対0の5回コールドとなった。
先発した東恩納蒼投手(3年=沖縄尚学)が5回無失点、しかもランナーを1人も出さないパーフェクトピッチングで付け入るスキを与えない。打線も初回から2点を先制してリードを奪うと、4対0で迎えた5回、代打・高中 一樹内野手(3年=聖光学院)の一打などで6点を加えて、決勝戦進出を決めた。
【vsチャイニーズ・タイペイ 5 – 2】
スーパーラウンド最終戦はチャイニーズ・タイペイと一戦。互いに翌日の決勝戦で対戦することが決まっており、様々な思惑がある中で、試合は初回から先発・髙橋 煌稀投手(3年=仙台育英)が3失点。さらに2番手・森 煌誠投手(3年=徳島商)が勢いを止められず、2対5で敗れた。
<決勝>
【vsチャイニーズ・タイペイ 2 – 1】
悲願の初優勝がかかったチャイニーズタイペイとの決勝戦は、2対1の接戦の末に勝利。初の世界一に立った。
先発・前田 悠伍投手(3年=大阪桐蔭)が立ち上がりに失点し、苦しい時間が続いたが、4回に日本打線が反撃。緒方 漣内野手(3年=横浜)が四球、さらに5番・丸田 湊斗外野手(3年=慶應義塾)の内野安打でチャンスを作ったところで、高中 一樹内野手(3年=聖光学院)がスクイズを成功。相手の守備の乱れも重なり、一気に逆転に成功すると、1点リードを前田が守る。
ランナーを出しても粘り強い投球でスコアボードに0を刻み続け、最後は二ゴロでゲームセット。前田の1失点完投で日本が歓喜の輪を作った。