試合レポート

【埼玉】1回戦 聖望学園 vs 星野

2023.09.24


新生・聖望学園、中村アラシュの一発などで星野を破り初戦突破!

<埼玉県秋季高校野球大会:聖望学園5ー1星野>◇23日◇1回戦◇レジデンシャルスタジアム大宮

相変わらずの曇天の中行われた県営大宮球場の第3試合は、浮中新体制で臨む新生・聖望学園星野という西部地区同士の一戦。

聖望学園は新チーム結成後、4月から就任した飯牟礼監督から、同タイミングで聖望学園のコーチとして就任していた元横浜高校で19年コーチを務めた経験のある浮中久生氏へ早くも監督交代となった。新チームは荒削りだが、元々旧チームのスタメンが多く残っているだけに、これまでの鬱憤を晴らすようなその打棒は、新人戦でも他チームに十分見せつけていた。今大会台風の目になりうる存在であるだけに、色々な意味で注目の初戦となる。

先発は聖望学園が昨秋の浦和学院戦でも先発するなど旧チームから登板し経験豊富な左腕・向深澤 要投手(2年)、星野が右スリークウォーターの齋藤 隼人投手(2年)と、両エースが登板し試合が始まる。

試合は初回の攻防がその後の試合展開を大きく左右する。

星野は初回、聖望学園・向深澤の立ち上がりを攻め、1死から石田 凱大(2年)が中前安打を放ち出塁すると、続く星野 晧(2年)の遊ゴロが相手の一塁悪送球により、1死一、三塁とチャンスを得る。さらに3番・磯村 亮太(1年)は四球を選び1死満塁とチャンスを広げるが、後続が連続三振に倒れ無得点に終わる。

その裏、聖望学園は先頭の中條 和也(2年)が投手への飛球を打ち上げるが星野・齋藤がこれを落球し先頭が出塁する。これで動揺した齋藤は続く小泉 三四朗(2年)を迎え一塁へ牽制悪送球して、一走・中條は一気に三塁へと進む。齋藤はさらに暴投を喫し、あっという間に聖望学園に先制点が入る。

動揺する星野・齋藤に対し、聖望打線は攻撃の手を緩めず、小泉が中前安打を放ち再度チャンスメークすると、続く齋藤 千風(2年)も左前安打を放ち無死一、二塁とする。1死後、5番・向深澤が右前適時打を放つと、一走・中村 アラシュ(2年)が三塁を奪う間に、打者走者・向深澤も二塁を狙う。これが相手の悪送球を誘い中村が本塁へ生還し3点目、2死後、丹野 大椰(2年)の打球は右飛かと思われたが、右翼手が目測を誤り適時三塁打となるなど、聖望学園は相手のミスに乗じ一挙4点を奪う。

星野・齋藤は2回以降立ち直り、ピンチこそ招くも追加点を与えないピッチングを見せる。

一方、聖望学園・向深澤は「1試合多い山に入り球数制限など、今大会これから先のことを考え、本人と相談して早めに代えた」(浮中監督)ということで早くも3回1安打6奪三振無失点で降板し、4回からは2番手として嶋津 寿樹投手(2年)がマウンドに上がる。

星野は4回、聖望学園・嶋津の代わり端を攻め、1死から5番・矢部 大成(2年)が左中間へ二塁打を放ち出塁すると、続く髙附 雄樹(2年)が左前適時打を放ち1点を返す。

それでも、聖望学園ベンチの評価は高く「嶋津は強い球が投げられることもあり、これまで練習試合で力が入り過ぎ自滅することが多かったが、今日は力も抜け制球重視で低めに投げ期待に応えてくれた」(浮中監督)
と、元々短いイニングで考えていた嶋津をその後も続投させる。すると、嶋津はその後立ち直り、星野打線を無失点に抑える。

2回以降、立ち直った星野・齋藤の前になかなか追加点を奪えない聖望学園は、5回、1死から4番・中村が「インハイの直球。前の2打席で詰まらされたので張っていた」と左翼席へソロ本塁打を放ち貴重な追加点を奪う。

試合はその後やや落ち着き、5対1のままゲーム終盤を迎える。

迎えた8回、星野は先頭の冨樫 興生(2年)が四球を選び出塁すると、2死後、4番・磯村が中前安打を放ち2死一、二塁とする。ここで続く矢部が右前安打を放つ。タイミングは微妙だったが、右翼手からの好返球により二走・冨樫は本塁で憤死し万事休す。

最終回も星野はこの回からマウンドに上がった聖望学園の3番手・小泉に対し、この回先頭の高橋 瑠生(2年)が左中間へ二塁打を放つが、最後は再登板した聖望学園・向深澤がその後も無失点で抑える。

結局、聖望学園が星野を5対1で下し初戦突破。浮中新体制の初陣を飾った。

星野は「初回の攻防が全てです。あの回が2点ぐらいで凌げていたら」と飯野監督は、試合後悔やんでいたが、とにかく初回に尽きる。県大会初戦の緊張感からか、県営大宮の雰囲気なのか、相手が聖望学園だったからか、エース齋藤を筆頭に守備が乱れバタついてしまった。それも1回表、先制点を奪えていれば展開も全く違うものになっていたであろう。エース齋藤の食い込む球はある程度通用していただけに、やや悔やまれる敗戦か。想定外なことが起きた時にどうするのか、今後春までにチームとしての経験値を積み上げる必要がありそうだ。

一方の聖望学園はエース向深澤に負担をかけずにきっちりと勝利。この日は嶋津が嬉しい誤算か。「夏早く負けたこともあり、バッティングや走塁面、投内連携などバランス良く徹底的に練習をしてきた。彼らはヤンチャだが、野球に対しては一生懸命。まだまだ礼儀など野球以外の部分で課題はある。甲子園、甲子園と野球をやっていれば良いという考えではなく、日々の生活など他の部分も見つめ直せば良い結果もついてくる。将来的に活躍できる子になれるよう育てていきたい」と浮中監督も、鼻息は荒い。

「監督が代わって良い雰囲気で野球ができている。激戦区に入ったが自分達もそれなりに力はあると思っているので一戦一戦大事に戦っていきたい」(中村)と、早くも監督交代の効果が出ている。全力疾走を怠る選手がいるなど、課題もあるが、とにかくポテンシャルは高い。だが、聖望学園のブロックは川越東大宮東花咲徳栄など競合ひしめく激戦ブロックである。まずは新人戦の再戦となる川越東戦である。今後、新生・聖望学園が今大会台風の目になるのか。注視していきたい。

取材=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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