試合レポート

【宮城】2回戦 仙台育英 vs 東北

2023.09.18


湯浅 桜翼(仙台育英)

甲子園準Vの仙台育英がライバル・東北を下し8強入り、3ランの湯浅桜翼「みんなで肩を組んで頑張りたい」

<第76回秋季東北地区高校野球宮城県大会:仙台育英5-2東北>◇18日◇2回戦◇仙台市民

昨秋は県大会、東北大会の決勝で対戦し、ともにセンバツに出場した両校が、今秋は2回戦でぶつかった。仙台育英武藤 陽世投手(2年)、東北進藤 愛輝投手(2年)の両先発で投手戦が予想される中、仙台育英は3回までに5点を奪い試合の主導権を握る。終盤の東北の反撃を継投で振り切り、ライバル対決を制した。

仙台育英は2回、7番・高田 庵冬内野手(1年)の適時打などで2点を先制する。3回は1死一、二塁と好機をつくると、4番・湯浅 桜翼内野手(2年)が左翼席へ飛び込む3点本塁打を放ち、リードを広げた。先発の武藤は6回まで2安打無失点と快投。7回途中にピンチを背負って降板するも、その後は山元 一心投手(1年)、佐々木 広太郎投手(2年)とつないで逃げ切った。

湯浅は公式戦初本塁打。「大きい当たりは求められていない場面だったので狙ってはいなかったけど、思った以上に打球が伸びた」と冷静に一発を振り返った。昨秋から打線の中軸を任されており、新チームのメンバーの中では最も経験値が高い。今秋は「仮キャプテン」に就任し、「背中で見せるキャプテン」を理想に攻守でチームを牽引している。

2年連続で甲子園の決勝まで勝ち進んだ仙台育英だが、経験豊富な3年生が抜けたばかりの新チームはまだまだ「未熟」。この日は4回以降、再三の好機をものにできず、7、8回は守備の乱れが絡んで失点するなど、課題も露呈した。湯浅は「点が入ったことで安心して、後半は集中力が切れてしまっていた」と反省。「去年と比べると力が劣るので、しっかりみんなで肩を組んで頑張りたい」と気を引き締めた。

「まだまだ全然、完成されていないですし、成長は計り知れない。楽しみなチームです」と湯浅。須江航監督も「今は強いチームではないですけど、練習している姿や私生活を見ると、すごく楽しみなんですよ。毎日ワクワクしながらグラウンドに向かえる」と期待している。新・仙台育英は試行錯誤を繰り返し、試合のたびに成長を続ける。

東北は2回戦敗退で、2年連続のセンバツ出場が絶望的となった。打線は6回まで内野安打2本に抑え込まれ、守っては5失策。主将の畠山 重汰外野手(2年)は「格上の相手に歯が立たなかった。やるべきことをやらないと勝てない」と言葉を絞り出した。「先輩たちの野球のいいところは生かしつつ、自分たちの色を出して、隙のない野球をしたい」。気持ちはすでに春に向いている。

(取材=川浪康太郎)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.17

長野8強決定!松商学園、長野日大、東海大諏訪、佐久長聖などが勝ち上がる【2024夏の甲子園】

2024.07.17

【全国注目シード校・成績速報】神奈川では2校が4回戦で姿を消す、大阪、島根ではシードに明暗、昨夏初戦敗退の智辯和歌山はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.17

元営業マンの監督が率いる大阪学院大高が夏初戦、春初優勝の勢いを夏にぶつける!17日大阪大会【2024夏の甲子園】

2024.07.17

シード国士舘が過去5戦全敗の強敵・ノーシードの日大三に挑む!17日西東京大会【2024夏の甲子園】

2024.07.17

【全国ベスト8以上進出校一覧7・16】青森山田と八戸学院光星が8強入りし、準々決勝で対決!山梨、佐賀でも8強名乗り、北北海道では4強が決まる

2024.07.14

甲子園通算19度出場・享栄が初戦敗退 1点差でまさかの敗戦【2024夏の甲子園】

2024.07.13

四国の夏を盛り上げる逸材20名! 全国注目の四国BIG3から「東大野球部か医者か」の秀才、名門・池田の小さな大エースまで【逸材選手リスト】

2024.07.15

ノーシード・二松学舎大附が2戦連続で延長戦を制す【2024夏の甲子園】

2024.07.13

モイセエフ擁する豊川、初の夏の甲子園へ戦力向上中! カギは超高校級スラッガーの前、投手陣は急成長 センバツの雪辱をはたすか!?【注目チーム紹介】

2024.07.15

プロ注目153キロ右腕が3回戦で姿消す 好リリーフ見せるもあと1点及ばず【2024夏の甲子園・兵庫】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」