【関西六大学】大阪商業大vs大阪学院大
ノーヒットノーランを達成した上田大河(大阪商業大)
大阪商業大・上田がノーヒットノーラン達成!完全試合はあと2人で逃す
<関西六大学秋季リーグ:大阪商業大13-0大阪学院大>◇16日◇第3節1回戦◇わかさスタジアム京都
今秋のドラフト候補である大阪商業大の最速154キロ右腕・上田 大河投手(4年=大阪商業大高)が大阪学院大を相手にノーヒットノーランを達成した。関西六大学リーグとしては今季の神戸学院大・藤井 基投手(3年=神戸学院大附)に続いて12人目となる。
1回に1番・金原 塁内野手(3年=クラーク記念国際)の先頭打者本塁打で援護をもらった上田は、「真っすぐを待っているバッターに対して真っすぐで押せた」と初回から149キロをマークするなど、3者凡退に抑える上々の立ち上がり。スタメンに右打者が6人並んだ大阪学院大に対してスライダーやカットボールといった変化球も冴え、凡打の山を築く。
奪った三振は5つと多い方ではなかったが、三塁手の菊地 柚内野手(3年=尽誠学園)や遊撃手の長野 陽人内野手(2年=天理)ら守備陣も好守を連発して付け入る隙を与えなかった。
上田は7回に右手中指の皮がめくれて直球を投げる際に痛みが出たそうだが、そこは変化球主体の配球に切り替えて対処。状況に応じた投球を続け、8回までパーフェクトピッチングを続けた。
リーグ史上初となる完全試合の期待が懸かる中で、上田は9回もマウンドに上がる。大阪学院大は先頭に春の首位打者である秋田 耀大内野手(4年=金沢龍谷)を送り込むが、二ゴロに打ち取ってまずは1アウトとした。
続いて代打で起用されたのは2019年夏の甲子園でサイクル安打を達成している杉田 翔太郎外野手(4年=敦賀気比)。上田は2球で追い込むも、そこから杉田が粘りを見せてフルカウントに持ち込んだ。9球目に上田は直球を選択したが、これが引っかけてしまい、ボールとなってしまう。結果的にあと2人というところで完全試合を逃す形となった。
その後、味方の失策で1死一、三塁のピンチを招いたが、1番・八木澤 輝外野手(4年=日本航空石川)をフォークで二塁への併殺に打ち取り、ピンチを脱出。自身初となるノーヒットノーランを達成した。
「完全試合したかったですね」と上田は苦笑いを見せつつも「常にノーヒットノーランは目指していたので、できて良かったですね」と充実感を漂わせた。既にプロ志望届は提出済み。この日も多くのスカウトが視察に訪れていた。
主将としてチームの優勝を最優先に考えているとはいえ、プロ入りに向けて良いアピールになったことは間違いないだろう。次戦以降も自らの株を上げるような投球に期待したい。
取材=馬場 遼