【仙台六大学】仙台大vs東北工業大
仙台大・辻本倫太郎
仙台大、投打かみ合い快勝 ドラフト候補・辻本倫太郎が値千金の満塁弾
<仙台六大学秋季リーグ:仙台大6-0東北工業大>◇16日◇第4節1回戦◇東北福祉大
仙台大が東北工業大に先勝し、開幕からの連勝を5に伸ばした。4回、ドラフト候補の3番・辻本 倫太郎内野手(4年=北海)の満塁本塁打で先制する。7回には9番・高田 直輝内野手(4年=西脇工)、1番・菅原 礼央内野手(4年=旭川大高)の連続適時打が飛び出し2点を追加。投げては先発・佐藤 幻瑛投手(1年=柏木農)が9回5安打9奪三振無失点で完封勝利を挙げた。
重苦しいムードを、キャプテンが一振りで変えてみせた。仙台大は相手エース・後藤 佑輔投手(3年=仙台育英)から1、2回に続けて満塁の好機をつくるも無得点。4回は2安打と1四球でこの日3度目の満塁とし、打席に辻本が入った。2球目、内角寄りの直球を捉え、大きく放物線を描いた打球は左翼席へ。今秋第2号は値千金の満塁弾となった。
辻本は試合後、「ホームランというかたちで4点取ることができた。幻瑛もよく投げてくれていたので、我慢、我慢で一発が出てよかった」と笑顔。イメージ通りの完璧な一発だった。
辻本は6、8回にも安打を放ち、3安打4打点。今秋はここまでの5試合で打率.381(21打数8安打)、2本塁打、8打点と打撃好調だ。「ラストスパートというところで、今年に懸ける思いは人一倍強い。うまくいってるかなと思います」。今月9日にプロ志望届を提出した注目遊撃手は、「東北3連覇、明治神宮大会優勝」と「ドラフト上位指名」を目標に掲げ最後の秋を駆け抜ける。
佐藤幻はギアを上げた4、5回に計3度150キロを計測。リーグ戦で150キロの大台を超えたのは初めてだった。本人は「意識的にたたきつけてスピードを出すことができた。やっと出たなという感じです」と手応えを口にしつつ、「全体的にはよくなかった。今日はたまたま抑えられました」と序盤のリズムの悪さや4四球を反省した。
9回を投げての完封勝利もリーグ戦では初めてだが、「それくらいが当たり前になりたい」と冷静な右腕。今秋は3戦3勝、24回を投げて防御率0.00と好成績を残しており、ルーキーながら文字通り先発陣の柱を担っている。現状に満足せず、理想の投球を追い求め続ける。
(取材=川浪康太郎)