試合レポート

【社会人】代表決定戦 パナソニックvsカナフレックス

2023.09.15


パナソニックが28年連続の日本選手権出場!與座の好リリーフが勝利をもたらす

<第48回社会人野球日本選手権大会近畿地区最終予選:パナソニック3ー1カナフレックス(延長10回タイブレーク)>◇15日◇代表決定戦◇わかさスタジアム京都

パナソニックが苦しみながらも延長戦を制して28大会連続43回目の本大会出場を決めた。

中盤まではカナフレックスペースで試合が進む。2回に2死二塁から7番・澤田 裕基内野手(岐阜聖徳学園ー岐阜聖徳学園大)の右越え適時二塁打で1点を先制。先発の大石 亮人投手(報徳学園ー日本大国際関係学部)は左腕から130キロ前後の直球と100キロ台の変化球を繰り出し、緩急を上手く使った投球でパナソニック打線を抑え込む。

パナソニック先発の榎本 亮投手(京都学園ー佛教大)も5回まで1失点と好投していたが、6回に無死満塁のピンチを招いて降板。追加点を与えたくない場面でパナソニックは西武・與座 海人投手(沖縄尚学出身)の兄でもある実績十分の與座 健人投手(沖縄尚学ー関西国際大)を投入する。

「何とか0に抑えることだけ考えていました」と與座は4番・古和田 仁内野手(新田ー創価大)を遊飛、5番・奥野 祥仁外野手(清教学園ー大阪教育大)を三振に打ち取ると、6番・守屋 俊介外野手(暁星国際ー東農大北海道オホーツク)も三飛に抑えて、カナフレックスに追加点を許さなかった。

すると、流れはパナソニックに傾く。直後の7回に2死二塁と一打同点のチャンスを作ると、8番・大上 海璃内野手(自由ケ丘ー九州共立大)が左越え適時二塁打を放ち、同点に追いついた。

追いつかれたカナフレックスは8回、9回を2番手の中島 洸希投手(福知山成美ー大阪経済大)が無失点に抑えると、與座も右横手から力強い直球を投げ込み、カナフレックスに得点を許さない。試合は1対1のまま無死一、二塁のタイブレークから始まる延長戦に突入した。

カナフレックスはこの回から左腕の東郷 太亮投手(神戸国際大附)に継投。パナソニックは1死満塁から2年目ながら主将を務める2番・永江 大樹内野手(東福岡ー福岡大)が左中間に2点適時打を放ち勝ち越しに成功する。與座はその裏も無失点に抑えて本大会出場権を辛くも獲得した。

今年に就任した金森敬之監督は「いや~、疲れました」と安堵。27年続けてきた連続出場を途切れさせるわけにはいかないというプレッシャーから解放された様子だった。

パナソニックはルーキーの定本 拓真投手(三重ー関西大)、小倉 悠史投手(同志社国際ー同志社大)、2年目の井奥 勘太投手(立正大淞南ー天理大)など若手投手の台頭が著しい。その中でチームで一、二の年長者である31歳の榎本と30歳の與座が意地を見せたのは若手にも良い刺激になっただろう。日本選手権ではベテランと若手が融合した戦いぶりに期待したい。

取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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