試合レポート

【千葉県】東京学館VS磯辺

2023.09.16


ノーサインが生んだ9回の逆転劇、投手戦を制した東京学館が戦略

〈第76回秋季千葉県高校野球大会:東京学館3ー2磯辺〉♢16日♢1回戦♢大谷津

こんな投手戦になるとは想像していなかった。

磯部は初回、東京学館の先発・石井 大羅投手(2年)の勝ち上がりを攻めて、3番・菊池 理央内野手(1年)のスクイズと、4番・粟井 真梧外野手(2年)の右越えソロ本塁打で2点を先制する。

2回、東京学館ベンチは動きを見せ、2番手・玉井 優輝投手(2年)をマウンドに送る。その玉井は落ち着きのある投球で、8回途中まで投げ無失点の投球を披露した。

磯辺先発の日塔 寛太投手(2年)は立ち上がりが良く8回まで無失点の投球で東京学館打線を完璧に抑え込んでいた。このまま9回も無失点に切り抜けるのか、と思っていたが甘くはなかった。

9回、突如として東京学館打線が繋がりを見せる。

1死二、三塁の場面で2番に代打・安達 臯弥(2年)が2点適時打を放ち土壇場で同点とする。同点打を放った安達は「チームの為に貢献できたので嬉しいです」と笑みが溢れた。さらに、5番・平山 悠人内野手(1年)の左中間を破る適時打で1点奪い逆転に成功した。逆転打を放った平山は「苦しい中での試合展開で打撃がなかなか結果が出ず悔しかったですが、1打席目から積極的な打撃を心がけて、やっとの思いで最後の打席で結果が出てくれたのでホッとしています」と緊張の糸が切れたのか笑顔で答えていた。

8回途中からマウンドに上がっている3番手・戸島 舷貴投手(2年)が、9回を3人で抑えて3対2で東京学館が勝利を収めた。

東京学館の市川監督は「8回までサインを出すと点が取れなかったので9回は選手たちにサインはないから任せると伝えました。その結果、選手一人一人が繋ぐ攻撃ができたので逆転に繋がったと思います」と声を弾ませ、2番手の玉井にも「想定外での2回からの投球でしたが、8回途中まで無失点で踏ん張ってくれました。素晴らしい投球でした」と称えた。

東京学館は17日の2回戦で、あずさ第一と対戦。後半でも粘り強い野球で勝てたことを次の一戦に繋げる。

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.25

【ポニー】春夏連覇を阻止して初優勝!筑後リバーズが夏の日本一に輝く

2024.07.26

新潟産大附が歓喜の甲子園初出場!帝京長岡・プロ注目右腕攻略に成功【2024夏の甲子園】

2024.07.25

センバツ覇者・健大高崎が決勝進出!天敵の前橋育英に6点差を追いつかれるも10年ぶり夏勝利!

2024.07.26

報徳学園が3点差をひっくり返す!サヨナラ勝ちで春夏連続甲子園に王手!【2024夏の甲子園】

2024.07.25

まさかの7回コールドで敗戦...滋賀大会6連覇を目指した近江が準決勝で涙【2024夏の甲子園】

2024.07.24

享栄、愛工大名電を破った名古屋たちばなの快進撃は準々決勝で終わる...名門・中京大中京に屈する

2024.07.20

枕崎が1時間半遅れの試合でも集中力を発揮!堅守を発揮し、2年連続の8強!【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.21

【中国地区ベスト8以上進出校 7・20】米子松蔭が4強、岡山、島根、山口では続々と8強に名乗り、岡山の創志学園は敗退【2024夏の甲子園】

2024.07.20

伊集院の好左腕・新藤、終盤力尽き、鹿児島実に惜敗【24年夏・鹿児島大会】

2024.07.08

令和の高校野球の象徴?!SJBで都立江戸川は東東京大会の上位進出を狙う

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」