試合レポート

【甲子園】1回戦 鳥栖工 vs 富山商

2023.08.09


「仮面ライダーバッテリー」が鳥栖工甲子園初勝利の「ヒーロー役」

結果

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R 勝敗
鳥栖工 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 1X 3 Win
富山商 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 Loss

<第105回全国高校野球選手権記念大会:鳥栖工3ー2富山商(延長12回タイブレーク)>◇9日◇1回戦◇甲子園

鳥栖工(佐賀)が歴史的1勝をサヨナラ勝ちでつかんだ。1対1で延長戦に入って、12回裏無死一、二塁からのバントで、敵失により1点。春夏通じて甲子園初出場のナインが、うれしい甲子園初白星を劇的勝利で飾った。

立役者は1年生右腕だった。6回から2番手で登板した松延 響(ひびき)投手(1年)が、9回まで無失点で切り抜け、延長に入っても捕逸による1失点のみに抑えて、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。

自己最速となる144キロの直球と、切れのあるスライダーを武器に腰を深く沈みこませ、下半身をしっかりと使った投球フォームで、打者に立ち向かっていった。

登板した6回は緊張からか、先頭打者をいきなり四球で歩かせる不安定な立ち上がりだったが、救ってくれたのはミットを構える兄、松延 晶音(あぎと)捕手(3年)だった。次打者の時に三振併殺。思い切って腕を振った結果で三振を奪い、一塁走者の二盗を防いでくれたのが兄だった。マウンドで弾けるような笑みを浮かべ、冷静さを取り戻した1年生は、それから快投を演じ、兄のミットだけを見て右腕を振り続けた。

兄「アギト」と弟「ヒビキ」。テレビドラマの「仮面ライダー」シリーズに登場するキャラクターの名前で、「仮面ライダーバッテリー」として話題だった兄弟が、甲子園の大舞台でまさにチームの「ヒーロー役」を演じてみせた。

この夏最後の「ほころび」でサヨナラ負けも、富山商の守備陣に拍手喝采

<第105回全国高校野球選手権記念大会:鳥栖工3ー2富山商(延長12回タイブレーク)>◇9日◇1回戦◇甲子園

サヨナラ勝ちに喜ぶ鳥栖工(佐賀)ナインのそばで、富山商(富山)の上田 海翔投手(3年)は呆然としていた。

タイブレークに入った延長12回裏。無死一、二塁から三塁側への絶妙なバントのゴロを処理した上田は一塁へ送球。しかし、そのその送球がワンバウンドになって、球が転々とする間に走者がかえってサヨナラ負け。それまで、鉄壁の守りを演じノーエラーだった富山商が、たった1度のほころびに涙した。

富山商は今夏富山大会無失策で甲子園に乗り込んでいた。この試合でも、内外野の守備陣が鍛えられたプレーを随所に披露していた。二塁ベース寄りのゴロを処理した二塁手の白木 球二内野手(3年)が一塁への送球を無理と判断すると、グラブトスで遊撃手の竹田 哩久内野手(3年)へ渡して一塁でアウトを奪う、プロ顔負けのスーパープレーを披露。延長11回裏には抜ければサヨナラ負けとなる右翼後方の大飛球を、途中出場の背番号10、秋田 幹太外野手(3年)がジャンプ一番好捕する「ザ・キャッチ」を披露するなど、甲子園の観客を守備で沸かせていた。

もちろん、上田自身も10回裏の無死満塁の大ピンチでスクイズを試みた投手前へのゴロを冷静に捕手へグラブトスして併殺を奪うなど、ピッチングだけでない9人目の野手として好フィールディングを見せていた。

しかし、体は限界を迎えていた。マウンドで1人で投げ抜き、投じた球数は161球。バント処理の送球で手元がわずかに狂ったのは責められない。

今夏富山大会から数えて初めての「失策」が悪夢の初戦敗退となってしまったが、それまでの好プレーの数々の方が、甲子園のファンの心に焼き付いたに違いない。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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