試合レポート

神村学園vs松陽

2023.07.14


神村学園が勝利、勝負分けた7回の攻防

<第105回全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園7-1松陽>◇13日◇3回戦◇平和リース

立ち上がり、松陽は先頭の1番・福倉 和真(3年)が中前打で出塁。送りバントで二塁まで進み、意表を突く三盗を決め、暴投で先制のホームを踏んだ。

その裏、神村学園は1死二塁から3番・秋元 悠汰(3年)の三塁強襲打がエラーとなって同点に追いつき、5番・岩下 吏玖(2年)の中前適時打で逆転した。

2回以降は神村学園の左腕・黒木 陽琉投手(3年)、松陽の右腕・押川 騰輝投手(2年)を中心に守り合いの展開となり、両者無得点が続く。特に押川はアンダースローからの遅い球を有効に使って、強打の神村学園打線を苦しめた。

勝敗を大きく分けたのは7回の攻防だった。

松陽は四球と8番・髙瀬 心(2年)の左前打で2死一、三塁と一打同点、逆転の好機を作る。9番・西田 陽優主将(3年)の打球は三遊間に抜ける当たりだったが、三塁手・岩下がダイビングキャッチ。二塁封殺でピンチを脱した。

「野球あるあるじゃないけど、ピンチの後にチャンスあり」(小田大介監督)だったのがその裏の神村学園。1番・今岡 歩夢主将(3年)が中前打で出塁。2番・入耒田 華月(1年)も右前打で続き、一走・今岡主将の好判断で三塁まで進み無死一、三塁とする。

3番・秋元のところで小田監督は代打・永田 剛丸(3年)を送る。初戦の川内戦でもスクイズを決めるなど、「度胸があって、ゴロで三遊間を抜くことも、スクイズも決められる」と全幅の信頼を置く仕事師だ。「チームのためになる仕事がしたかった。使ってくれた監督さんの信頼、期待に応えたかった」とカウント2ボール1ストライクから、外角低めのボール球を見事に転がし、待望の勝ち越し点を得た。

勢いづく神村学園は、9回に今岡主将のグランドスラムが飛び出し、勝利を決定づけた。

記事=政 純一郎

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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