試合レポート

産業技術高専vs成城

2023.07.08


成城が初回10点の猛攻で都立産技高専を圧倒、この代で公式戦初勝利を挙げる

<第105回全国高校野球選手権東東京大会:成城19ー1都立産技高専(5回コールド)>◇8日◇1回戦◇神宮

神宮球場ではこの日の第2試合ながら、東東京大会の開幕戦となったこの試合。試合開始に先立ち、立正大立正中学の中道清貴が投手、横川幸多が捕手で、始球式が行われた。

両チームとも新チームになってから公式戦で勝利がなく、勝利に対する思いは強かった。

1回、都立産技高専は、成城の先発・窪田 彪我投手(1年)から2番・斉藤 礼啓投手(2年)が二塁打を放ったものの無得点。

その裏、成城は1番・小野 琉惺内野手(3年)が打撃妨害で出塁したことから猛攻が始まった。2番・清水 律哉外野手(3年)の四球に続き、暴投で小野が生還した後、3番・安田 懸内野手(3年)の左中間を破る打球がランニング本塁打になり3点。開幕戦、しかも神宮球場という舞台で「選手が浮足立ってしまいました」と都立産技高専の広瀬義朗監督は語る。ここから安打に失策が連なり、1回裏だけで成城は10点を挙げる。

2回は無失点で抑えたものの、3回成城は、1死後ランニング本塁打を放った3番・安田懸の右前安打を皮切りに、3者連続の四球で押し出し。7番・村上 心一外野手(3年)、代打・小室 勇人内野手(2年)の連続適時打などでこの回9点を入れてダメ押しをした。

成城は投手を窪田、山本 陸太投手(3年)とつなぎ4回、5回はエースの長谷川 煌投手(2年)が締めた。ただし5回、都立産技高専は、1番・川上 和伸が内野安打で出塁し、暴投で二塁に。2番・斉藤 礼啓の中前安打に失策も絡み1点を返す。しかし、都立産技高専の反撃もここまで。19対1の5回コールドで成城が圧勝した。

ある程度力の差があったのは確か。それでも、相手の失策絡みとはいえ、都立産技高専は1点を返し、意地はみせた。高専という特性上、1、2年生は秋以降を目指し、高校野球を続けるが、3年生は今度は高専の大会を目指すことになる。どちらにしても、大会初日の神宮球場で試合ができたことは貴重な経験になる。

成城は秋も春も勝てなかったため、竹内 悠太捕手(3年)は「大会で勝ててうれしいです」と語る。それでも5回の失点に関して、「夏の大会はちょっとしたミスで流れが変わります。ああいうところは詰めていきたいです」と紅野雄一監督は語る。成城は2回戦は郁文館と対戦する。「郁文館は強豪ですが、勝ちたいです」と竹内主将は語った。

取材=大島 裕史

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉