試合レポート

富士大vs大阪商業大

2023.06.08

投打がかみ合った富士大が大阪商業大に完勝!14年ぶりの4強入りを決める

富士大vs大阪商業大 | 高校野球ドットコム
3回裏にソロ本塁打を放った佐々木大輔(富士大)

<第72回全日本大学野球選手権大会:富士大7-1大阪商業大>◇8日◇準々決勝◇神宮

 北東北大学野球連盟代表の富士大が、関西六大学野球連盟代表の大阪商業大に快勝して14年ぶりの4強入りを果たした。

 大阪商業大は最速154キロ右腕の野中 太陽投手(4年=太成学院大高)が先発。球場のスピードガンで148キロを計測するなど、力のある速球を武器に、立ち上がりは三者凡退に抑えるが、2回に肩の違和感を覚えたという。1死からここまで無安打だった5番・佐々木 大輔内野手(3年=一関学院)にセンターへの二塁打を打たれると、6番・坂本 達也捕手(3年=博多工)にも内野安打を許して一、三塁とピンチを広げてしまう。さらに3ボールとなったところで鈴木 豪太投手(2年=東海大静岡翔洋)に継投。鈴木の初球はボールとなり、四球で1死満塁と富士大はチャンスを拡大した。

 ここで打席に立つのは赤瀬 健心外野手(1年=下関国際)。1番中堅手として昨夏の甲子園準優勝メンバーとなった選手だ。赤瀬は2ボール2ストライクから外角の直球を左前に上手く弾き返して1点を先制。「先制点が欲しかったので、綺麗なヒットではなかったですけど良かったです」と殊勲の一打を振り返った。

 さらに富士大は9番・渡辺 陸外野手(1年=花巻東)の右前適時打と併殺崩れの間に2点を追加。序盤で3点のリードを奪うことに成功した。

 劣勢に立たされた大阪商業大は3回からエースで主将の上田 大河投手(4年=大阪商業大高)が登板。「ここから0で抑えれば、望みがあると思ったので、自分でブルペンから手を上げました」と自ら志願しての登板だった。

 だが、流れを変えることはできない。3回に佐々木にフォークを上手く拾われて右翼にソロ本塁打を浴びると、5回には4番・渡邉 悠斗内野手(3年=堀越)に甘く入ったカーブを左翼席に運ばれた。2本のソロ本塁打を打たれた上田は3回2失点で降板。「2点も取られているようでは使えないですね」と悔しさを口にした。

 勢いに乗る富士大は投手陣も力を発揮した。先発した左腕の佐藤 柳之介投手(3年=東陵)が140キロ台中盤の直球と100キロ前後のカーブで緩急を上手く使い、決め球のスライダーも冴えて5回無失点。東京入りしてから調子が上がっていたという2番手の安徳 駿投手(3年=久留米商)も150キロをマークするなど、球が走っていて、大阪商業大の反撃を8回の1点に食い止めた。

 7対1と圧勝した富士大が準決勝進出。準決勝では青山学院大と対戦することが決まった。関西を代表する強豪に完勝も安田慎太郎監督は「たまたまだと思います」と謙遜していたが、力を発揮できれば、次戦も東都の代表校相手に勝機を見出すことはできるだろう。快進撃はどこまで続くだろうか。

(取材:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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