大阪商業大vs花園大
大阪商業大が2年連続の8強入り!高が復活の好投を見せる
大阪商業大先発の高 太一
<第72回全日本大学野球選手権大会:大阪商業大7-1花園大>◇7日◇2回戦◇東京ドーム
関西六大学野球連盟代表の大阪商業大が京滋大学野球連盟代表の花園大を下して2年連続の8強入りを果たした。
大阪商業大の先発はプロ注目左腕の高 太一投手(4年=広島広陵)。4月23日の京都産業大で左肘を痛め、それ以来の公式戦登板となった。
「5月はずっと投げられていなくてイライラしていたので、それを全部ぶつけてやろうという気持ちを持って投げました」と強い思いを持って挑んだ。「今日はストレートが走っていた」と最速147キロの直球を主体にテンポ良くアウトを積み重ねていく。打線も1回に1死三塁から3番・福島 大輝外野手(3年=倉敷商)が中前適時打で先制点を挙げ、序盤から試合の流れをつかんだ。
2回以降は花園大先発の奥田 貫太投手(4年=八幡商)の前にあと1本が出ない展開が続いたが、5回に先頭の4番・渡部 聖弥外野手(3年=広島広陵)が右中間を破る三塁打で出塁すると、相手の暴投で生還し、追加点を奪う。
さらにその後、1死二塁となったところで花園大は藤原 聡大投手(2年=水口)に継投。最速151キロ右腕と大会前から評判だった好投手は2三振を奪って、このピンチを脱した。
さらに6回には自己最速を更新する152キロを計測。しかし、2死から連続四球で走者を溜めると、一、二塁から5番・河西 威飛内野手(3年=鳥取城北)に右中間を破る2点適時二塁打を浴びてしまう。さらに7回にも連続四球から追加点を許し、2.2回を投げて3失点とほろ苦い全国デビュー。「自分の実力不足です。四死球がどれだけ全国の舞台では点につながるかというのが分かったので、もっと体から鍛え直して一からやろうと思います」と悔しさをかみしめた。
一方、初回から快調な投球を見せていた高は7回無死二、三塁から犠飛で1点を返され、この回途中で降板となったが、復帰戦としては上々の内容。6.1回を投げて4安打、1四球、6奪三振、1失点と力を発揮した。
劣勢に立たされた花園大は8回に最速150キロ左腕の小林 純大投手(2年=栗東)を投入したが、大阪商業大は攻撃の手を緩めない。無死一塁から渡部が「打った瞬間に行ったと思いました」と高めの直球を右翼席中段まで飛ばす2ラン本塁打を放ち、ダメ押し点を奪った。
昨秋にはリーグ新記録の5本塁打を放った渡部だが、この春は打率.293、0本塁打と苦戦。「大きい打球を打ちたいと思っていたんだと思います。あまり自分では意識はなかったんですけど、体がそうなっていて…」と本塁打への意識が打撃を崩していた。
それでもリーグ戦終盤に調子を取り戻すと、この日は逆方向に長打を2本放つなど、4打数3安打2打点の大活躍。「逆方向に確信のホームランを打つくらい、ポイントを近く引きつけて打ちたいなと思っていたので、こういう結果が出て凄く嬉しいです」と満足気な表情を見せた。
投打の柱が復調した準々決勝に進んだ大阪商業大。悲願の日本一に向けて不安要素は全くなさそうだ。
(取材:馬場 遼)