山梨学院vs横浜隼人
山梨学院、大型1番打者が1本塁打4安打の活躍、センバツ優勝投手も5回ノーヒットノーランを達成し、コールド勝ち発進
山梨学院・德弘 太陽
<春季高校野球関東大会:山梨学院12-0横浜隼人(5回コールド)>◇20日◇1回戦◇サーティーフォー保土ヶ谷球場
保土ケ谷球場での開幕戦は山梨学院(山梨2位)vs横浜隼人(神奈川3位)の対決。試合は山梨学院が今センバツでも発揮した強打を存分に披露し、13安打12得点の5回コールド勝ちを収めた。
まさに盤石というべき試合運びだった。
1回から山梨学院は横浜隼人の好左腕・石橋 飛和投手(3年)を攻め立てた。首脳陣の期待も大きい強打者・德弘 太陽外野手(3年)が左前安打でチャンスメークし、4番の髙橋 海翔内野手(3年)がしぶとく右前適時打して1点先制した。強打ではなく、粘り強く右前へ運んだ打撃は横浜隼人投手陣に着実にプレッシャーを与え、初回は2点を先制することに成功した。
2回もエース・林 謙吾投手(3年)の安打からチャンスを作り、2番・星野 泰輝外野手(3年)のスクイズ。そして4番・髙橋がまたもしぶとく右前への適時打を放つなど、攻めにスキがない。
4回には徳弘が本塁打を放つと打線はさらにつながった。打者一巡して、再び徳弘に回ると左前安打。これで4打数4安打3打点の大活躍となった。185センチ、90キロと恵まれた体格をした強打者は、この冬から急激に伸びてきた。山梨学院の吉田監督は「これほどの結果を残してもおかしくない選手。少しずつ自分の実力を発揮できるようになっています」と語る。
強打の1番が機能すると、チームも勢いに乗ることを証明した。
エース林も好投した。センバツではまさに快投というべき投球で、吉田監督は「彼の良い時が大会通して出ていました」と振り返ったが、その後は春季県大会決勝戦や練習試合でも打たれる試合が続いていた。
県大会決勝で崩れたフォームを修正して、この日の好投につなげた。常時120キロ後半〜130キロ前半の直球をコントロールよく投げ分け、緩急を効かせた投球を見せた。センバツの時のような130キロ後半の直球ではなかったが、打者を観察して投げ、相手の打ち気をそらす投球を実践。5回を投げて参考記録ながら無安打無得点を達成し、球数も62球と最小限に抑えた。
春の県大会決勝で敗れ、「自分たちは山梨2位という自覚を持ち、実力の現在地を知ったことで、もう一度、気を引き締め、関東大会まで猛練習という練習をやってきました」と語る吉田監督。あえて量をこなす練習をしたことで、この関東大会でも別格の強さを示した。
次戦は連戦となるが、さらに強さを発揮できるか注目だ。
(記事=河嶋 宗一)