NPB、MLBでも使われるVR技術をポニーリーグが導入 OB選手が起こす革命に注目
広澤理事長と室谷さんたちエヌ・ティ・ティ・データの方々
日本ポニーベースボール協会(以下、ポニーリーグ)は1日、都内で記者会見を開き、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(以下、NTTデータ)とパートナーシップ契約を結んだことを発表した。
今回の提携で、NTTデータが提供しているV-BALLERというシステムを、ポニーリーグでも導入することになる。このシステムは楽天といったNPBだけではなく、MLBのプロ向けに5、6年前から導入され、2022年度よりアマチュアチームでも提供を開始している。
専用機器を装着すると、360度見渡せるVR空間が広がり、打席に立っている利用者が、投手が試合で投げている投球を実際に体感できるようになっている。投球にあわせてスイングをすれば、自分のスイングが軌道に対して、どこを振っているのか、タイミングはどうだったかなど、視覚を利用して客観的にチェックすることが可能になる。疑似体験とはいえ、課題克服に結び付けられるようになる。
データは蓄積され、いつでも見直すことができる。対戦投手の対策はもちろん、今の自分のスイングは何が課題なのかを探ったり、天候不良で屋外で練習ができない場合も疑似体験という形で実戦感覚を補完できる可能性があるなど、あらゆる方法で活用できる。
今回、記者会見で説明した室谷氏は「最新技術を使って野球界に革命を、そして自分が育ったポニーリーグとともに野球界を盛り上げていければと思います」と力強く意気込んだ。
実は室谷氏は中学時代をポニーリーグで過ごしていたOB。当時はアジア大会にも出場し、タイトルも獲得した実績がある。ポニーリーグへの恩返しの意味も込め、今回の契約を実現させた。「社会に役立つ未来の人材を育成する」という使命感を持っているポニーリーグにとって、これ以上ない恩返しといっていい。
室谷氏は「V-BALLERは『野球界に革命を』ということをモットーにしています」と説明する。このV-BALLERを通じてポニーの競技性が高まれば、革命になることは間違いない。現在はリーグにデバイスを渡し、地域への説明をしている最中だという。OBによって始まった革命の序章はポニーリーグにどんな化学反応を起こすのか、今後が楽しみだ。