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上田大河、有馬諒などドラフト候補揃いの関西大学野球の注目選手は?

2023.01.14
上田大河、有馬諒などドラフト候補揃いの関西大学野球の注目選手は? | 高校野球ドットコム
上田 大河(大阪商業大)、有馬 諒(関西大)

 ロッテからドラフト2位指名を受けた天理大の友杉 篤輝内野手(立正大淞南出身)やソフトバンクから育成ドラフト7位指名を受けた水口 創太投手(膳所出身)など、昨年は5人の選手が関西の大学球界からプロの世界に羽ばたいた。2023年は昨年以上に人材豊富な印象があり、プロ入りを期待できる選手が多い。今回は学年問わずに注目選手を紹介していきたい。

 2023年のドラフト路線において最注目なのが大阪商業大だ。その中で目玉と言える存在がエースの上田 大河投手(3年=大商大高)。150キロ前後の直球やフォークなど多彩な球種を相手打者の反応を見ながら自在に投げ分けることができる。ピンチの場面でも動じずに投げられるメンタルの強さも大きな武器だ。

 左のエース・高 太一投手(3年=広島広陵)も上位候補になるだろう。広島広陵(広島)時代は河野 佳投手(大阪ガス→広島ドラフト5位)らの陰に隠れる存在だったが、大学に入って急成長。最速151キロの直球はキレがあり、7割程度の力感でも易々と抑えることができる。

 今秋は登板機会に恵まれなかったが、野中 太陽投手(3年=太成学院大高)も150キロの速球を投げる本格派右腕で、スカウトからの注目を集める速球派右腕。2023年は本領発揮となるか。

 そして、2024年ドラフトの目玉になりそうなのが渡部 聖弥外野手(2年=広島広陵)だ。今秋のリーグ戦ではシーズン個人最多5本塁打の連盟新記録を樹立した。広角に強い打球を打つことができ、足も肩も十分なレベルにある。将来は大学の先輩である谷 佳知(元オリックスなど)のような球界を代表する外野手になりそうだ。

 大阪商業大が所属する関西六大学リーグには他大学にも有望選手が多い。本格派右腕では龍谷大の伊藤 岳斗投手(3年=磐田東)と、大阪経済大の津田 淳哉投手(3年=高田商)が来年のドラフト候補に挙がる。

 左腕では阪神・岩崎 優投手(清水東出身)のような質の良い直球を投げる龍谷大・中澤 嶺投手(3年=比叡山)に注目。今春の開幕戦を最後に実戦登板から遠ざかっているが、来年に復活した姿を見せることができるだろうか。

 関西学生リーグも新4年生が豊作だ。高校時代から名捕手として注目を集めていた有馬 諒捕手(3年=近江)が、いよいよ大学ラストイヤーを迎える。以前から守備面での評価が高かったが、大学では打力も向上。3季連続でベストナインを獲得するなど、関西地区随一の捕手として高く評価されている。

 有馬とバッテリーを組む金丸 夢斗投手(2年=神港橘)は2024年ドラフト上位候補の左腕。最速151キロの直球を投げ、明治神宮野球大会でも活躍を見せた。2023年は有馬との黄金バッテリーでライバルに立ちはだかるだろう。

 投手陣が充実しているのは立命館大。侍ジャパン大学代表候補合宿で快投を見せた谷脇 弘起投手(3年=那賀)は鋭く曲がるスライダーを武器とする。高校時代から本格派右腕として評判だった藤本 竜輝投手(3年=)もリーグ戦で150キロ超えを連発しており、ドラフト候補に挙がってきそうだ。

 履正社(大阪)の1番打者として活躍した桃谷 惟吹外野手(3年)も大学で打棒を発揮し、侍ジャパン大学代表候補合宿に召集された。来年も主軸打者として期待がかかる。


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真野 凜風(同志社大)、坂下 翔馬(近畿大)

 変わり種として注目なのが同志社大の真野 凜風投手(3年=天理)。高校時代は軟式野球部に所属し、大学で初めて硬式球を握った。187センチの長身から最速151キロの速球を投げる本格派右腕として話題を集めそうだ。

 近畿大は侍ジャパンU-18代表で主将を務めた坂下 翔馬内野手(3年=智辯学園)が主将に就任。1年生ながら侍ジャパン大学代表候補合宿に召集された野間 翔一郎外野手(大阪桐蔭)の活躍にも注目だ。

 阪神大学リーグは甲子園で活躍した関西国際大の不後 祐将投手(3年=中京学院大中京)の巧みな投球術に注目。近江(滋賀)時代は林 優樹投手(西濃運輸→楽天ドラフト6位)の控えだった天理大の藤居 海斗投手(3年)は変化球の精度が大学で大きく成長してリーグを代表する投手になった。野手では近藤 遼一内野手(3年=八戸学院光星)の柔らかい打撃が光る。

 近畿学生リーグは奈良学園大の植木 佑斗投手(3年=履正社)がリーグ屈指の投手として注目されている。夏の甲子園を制した高校3年の夏は甲子園での登板がなかったが、大学で実戦経験を積んで絶対的エースとなった。数々の修羅場を乗り越えてきた粘り強い投球でチームを優勝に導けるか。

 そして、2部リーグには二刀流の逸材がいる。それが太成学院大の田中 大聖投手(3年=鶴岡東)だ。高校時代は3年夏に甲子園に出場するも背番号18の控え投手。それが大学で力を付け、投げては最速153キロ、打っても1部の選手を凌駕する打棒を発揮している。彼目当てに2部リーグへ足を運ぶ価値は十分にあるだろう。

 京滋大学リーグは佛教大と京都学園大がここ数年は優勝を争っているが、ここに花園大が加わってきそうだ。今春のリーグ戦後から京都成章塔南(ともに京都)で指揮を執った奥本保昭監督が就任。それ以前からスカウティングには携わっており、今年度は有望な新入生が数多く入部した。

 中でも注目は藤原 聡大投手(1年=水口)と小林 純大投手(1年=栗東)。ともに高校時代から滋賀県では有望視されていた投手で、1年生から投手陣を支えている。最速150キロ右腕の藤原とトルネード投法から威力のある直球を投げ込む左腕の小林は、2025年のドラフト候補に挙がってくるだろう。今から注目しておいて損のない逸材だ。

 今回の記事で取り上げた以外にも活躍が期待できる選手は数多くいる。年々レベルが上がっている関西の大学球界にぜひ注目してほしい。

(記事:馬場 遼

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