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近年、セ新人王投手は大卒、パ新人王投手は高卒がトレンド

2022.12.03

近年、セ新人王投手は大卒、パ新人王投手は高卒がトレンド | 高校野球ドットコム
関西国際大時代の大勢

 2022年のセ・リーグ新人王には巨人・大勢投手(西脇工出身)が輝いた。大勢は開幕から守護神に抜擢されると、新人としては最多タイとなる37セーブをマーク。最多セーブのタイトルを獲得することはできなかったものの、新人王投票では209票を集め最優秀中継ぎのタイトルホルダーである阪神・湯浅 京己投手(聖光学院出身)の74票に大差をつけた。

 ルーキーながら圧巻の投球を見せた大勢は関西国際大出身で、2020年の森下 暢仁投手(明治大→2019年広島1位)以来、2年ぶりとなる大卒1年目での新人王受賞となった。振り返ってみるとセ・リーグでは圧倒的に大卒1年目の投手が受賞するケースが多い。

 2013年から2022年の10年間で小川 泰弘投手(愛知成章→創価大→2012年ヤクルト2位)、大瀬良 大地投手(長崎日大→九州共立大→2013年広島1位)、山﨑 康晃投手(帝京→亜細亜大→2014年DeNA1位)、東 克樹投手(愛工大名電→立命館大→2017年DeNA1位)に、森下、大勢と、6人が大卒1年目の投手だった。

 同期間でパ・リーグは則本 昂大投手(八幡商→三重中京大→2012年楽天2位)と有原 航平投手(広島広陵→早稲田大→2014年日本ハム1位)の2人だけしかいないのだから、その多さがよくわかるだろう。

 一方でセ・リーグでは高卒の投手(育成は除く)による新人王が久しく誕生していない。なんと平成以降は1人もおらず、1983年の槙原寛己(大府→1981年巨人1位)まで遡ることになる。

 パ・リーグでは2021年の宮城 大弥投手(興南→2019年オリックス1位)や2020年の平良 海馬投手(八重山商工→2017年西武4位)と近年立て続けに高卒投手の新人王が誕生している。その前も2007年の田中 将大投手(駒大苫小牧→2006年高校生・楽天1位)であり、期間が長く空いていたわけではない。

 もちろんセ・リーグの新人王有資格の高卒投手でも活躍している投手はいる。2021年には奥川 恭伸投手(星稜→2019年ヤクルト1位)、2020年には戸郷 翔征投手(聖心ウルスラ学園→2018年巨人6位)、2013年には藤浪 晋太郎投手(大阪桐蔭→2012年阪神1位)がそれぞれ新人特別賞を受賞している。その他の有資格者とのめぐり合わせの問題で新人王には手が届かなかったのだ。

 はたして来年は40年ぶりとなるセ・リーグの高卒投手による新人王は誕生するのだろうか。森木 大智投手(高知高→2020年阪神1位)や井上 温大投手(前橋商→2019年巨人4位)といった今シーズン1軍デビューを果たした新星たちはもちろん、まだ見ぬ新戦力たちの台頭が待ち遠しい。

(記事=勝田 聡

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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