國學院久我山vs都立王子総合
元シニア日本代表に1発 國學院久我山の1年生4番・原が3打点と大暴れ
ダイヤモンドを回る國學院久我山・原 隆太朗
<秋季高校野球東京都大会:國學院久我山14-1都立王子総合(5回コールド)>◇16日◇2回戦◇八王子
2021年の秋季東京都大会に続いて、優勝を狙う國學院久我山が、都立王子総合との2回戦を14対1の5回コールドで突破した。
15安打14得点の猛攻を見せた打線に対して、指揮官・尾崎監督は「低い打球をセンター返しする。基本に忠実な攻撃をしてくれたので、打線になったと思います」と結果だけではなく、内容も含めて攻撃陣に称賛の声を送った。
尾崎監督の言う通り、各打者のスイングの形も良かった。なかでも目に留まったのは、4番・原 隆太朗内野手(1年)の打撃だ。
4打数3安打3打点の活躍。4回の第3打席には右翼席にライナー性の打球で運ぶホームランを放ち、球場に駆け付けた観客を沸かせた。
中学時代は日野シニアで通算14本塁打。シニア日本代表にも選出され、その時のチームメートで、二松学舎大附に進学した五十嵐将斗内野手(1年)はライバルとして見ているという。
この試合で高校通算2本目と多くないが、どちらも公式戦で記録している。9月の1次予選中は「あまり調子が良くなかった」と納得できるスイングはできていなかったが、本大会までの期間中にフォームの改善ができたことで、調子を取り戻した。
「下半身の使い方に無駄があったので、ハの字に開いて重心を落とし、股割した状態でステップをせずに、そのまま素振りをしました。これで体に軸ができて突っ込む動作が改善されましたし、下半身を使ったスイングができるので、上半身は自然に回るようになりました」
都立王子総合戦で見せたホームランも「頭の位置がぶれることなくスイングすることができたので、ホームランを打てました」と修正してきたことが成果として出てきた。1年生ながら高い技術はもちろん、172センチ、80キロの体格もあり、4番に置くのも納得の逸材だ。
(記事=田中 裕毅)
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國學院久我山2番・萩野 颯人
<秋季高校野球東京都大会:國學院久我山14-1都立王子総合(5回コールド)>◇16日◇2回戦◇八王子
1年生・原が3打点を記録して活躍したが、2番・萩野 颯人内野手(2年)は3本のヒットを記録した。テークバックはそれほど取らず、ポイントまで呼び込んで打ち返していくが、下 半身主導でスイングができていて、タイミングを外されてもスイングしながらも我慢できる瞬間があり、うまく対応できていた。
原、荻野だけではなく、新チームの國學院久我山の各打者を見ていると、下半身をしっかりと使って全身でスイングできている選手が多い印象を受ける。尾崎監督は、「下半身を使ってスイングできないと始まらないと考えていますが、元々、技術を持った選手が多く、基本がしっかりしている」と土台となる部分がきちっとしている選手が揃っている。
上半身と下半身の連動性もできているため、全身を使って打つことができるなど、野手陣のレベルの高さを指揮官も実感している。
対戦した都立王子総合の寺崎監督からは、國學院久我山について、「野手全員が全力疾走をされていたのは素晴らしかったですし、走力そのものも凄かった。スイング、球速も含めてスピードに負けました」とスピード感もレベルの高さを感じていた。
1番・戸澤 知大内野手(2年)は二塁盗塁では3.2秒、7番・矢野 丈太郎外野手(1年)は二塁からホームへ生還する際は、6.6秒(いずれも手動計測)とスピードはあり、走力も十分脅威となっているといえる。
ただ「技術を習得するのは来年の夏なので、次に向けて状態をしっかりあげていきたい」と、2021年同様に一戦必勝で勝ち上がっていくことを改めて誓った。3回戦・帝京との一戦に注目だ。
(記事=田中 裕毅)